偉人たちですら成し得なかった大記録を打ち立てた大谷。(C)Getty Images  大谷翔平の名は間違いなく球史に「伝説的な存在」として刻まれる。現地時間9月19日のマーリンズ戦での活躍は、それを確信させるものだった…

 

偉人たちですら成し得なかった大記録を打ち立てた大谷。(C)Getty Images

 

 大谷翔平の名は間違いなく球史に「伝説的な存在」として刻まれる。現地時間9月19日のマーリンズ戦での活躍は、それを確信させるものだった。

 敵地で行なわれたこの一戦に「1番・DH」で先発した大谷は、6打数6安打3本塁打10打点2盗塁17塁打という驚異的な活躍を披露。史上初となる「シーズン51本塁打・51盗塁」の金字塔を打ち立てた。

【動画】6安打10打点2盗塁!「51‐51」を達成した大谷翔平の全活躍シーン

 2018年にエンゼルスに移籍してから始まったメジャーリーグでの挑戦。移籍当初は、二刀流に対する反発も小さくなかった。とりわけルーキーイヤーに苦戦を強いられた打撃面は米メディアで「まだメジャーレベルではないとスカウトが評している。打撃に関しては高校生レベルだ」とも揶揄された。

 そうした逆風の中でも大谷は自己分析と努力を重ね、才能を磨き続けてきた。「奇跡」とも言われる前人未到の51-51の到達は、幾多の苦難を乗り越えてきた彼の鍛錬の賜物とも言えよう。

 かつて「野球の神様」と称され、二刀流の先駆者とされたベーブ・ルースですらたどり着けなかった功績を残した大谷。その成果は米メディアからも畏敬の念を送られている。

 米老舗スポーツ誌『Sports Illustrated』のトム・ベルドゥッチ記者は、MLB公式サイトが「偉大さへと続く道」と銘打った動画内で「野球界においても理想とされる道はいつも整備されている。グラウンドの土には多くの先人たちの足跡があり、それらはさまざまな形で受け継がれてきた」と紹介。そして、唯一無二のキャリアを重ねてきた大谷の功績を、次のように伝えている。

「グラウンドの土と埃の中には霊が宿り、どの足跡を辿ってきたかによって選手たちは評価される。だが、一生に一度くらいの確率で前例のない者が現れる。『誰も歩んだことのない道を進んでほしい』。これは2012年にヒデキ・クリヤマ監督が、ショウヘイ・オオタニに伝えた言葉だ。彼は投打両方での活躍をオオタニに望んだ。そしてオオタニは10年以上その期待に応え続け、誰も歩んだ事のない道を歩み続けてきた」

 日本ハム時代の“恩師”である栗山英樹監督の言葉を伝えたのは、過去に大谷との独占インタビューを行った経験を持ち、その人となりを理解するベルドゥッチ記者らしい。

 そして、今回の51-51を、「偉業だ」とするベルドゥッチ記者は1900年代にアメリカで活躍した詩人ロバート・フロストの「私は人があまり多く通ってない方の道を選んだ、そしてそれが全ての違いをもたらした」という言葉とともに、こうまとめている。

「これは比類なき偉大さの証明なのだ。オオタニは先人たちが残した足跡を辿るのではなく、自身が選ぶ道によって評価される」

 多くの反発を受けながら、異端の道の道を突き進んできた大谷。彼に対する評価はまだまだ高まっていくに違いない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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