<DeNA9-6阪神>◇20日◇横浜阪神近本光司外野手(29)がミスターに並んだ。2点差に迫り、なおもチャンスで打席が回ってきた4回。2死一、三塁でDeNA左腕坂本から左翼へ適時二塁打を放ち、これで一時1点差に詰め寄った。入団から6年目以内…

<DeNA9-6阪神>◇20日◇横浜

阪神近本光司外野手(29)がミスターに並んだ。2点差に迫り、なおもチャンスで打席が回ってきた4回。2死一、三塁でDeNA左腕坂本から左翼へ適時二塁打を放ち、これで一時1点差に詰め寄った。

入団から6年目以内の通算安打数を926とし、長嶋茂雄(巨人)の持つプロ野球記録に肩を並べた。球団の配信コメントでは「偉大な先輩の記録に並べたことも光栄ですし、こうやって挑戦できていることがありがたいです」。試合後にも「こういう記録に挑めることは光栄ですし素直にうれしい」と実感を込めた。

「自分の中だけで意識して自分の中だけで頑張る」。そう繰り返してきた。それは本音だ。ずっと前から心の中で意識してきた。記録に執着しない男が明かしたことがある。

「去年の時点で『あっ、来年は150安打くらい打ったらいけるんや』って思ってたから」

いつからか、毎年シーズン終盤になると記者陣に聞かれるようになった。「入団○年目以内」の通算安打数。次第に自ら数字を調べるようになった。

「4年目に急に(記者が)来て。そっからやな。去年5年目もトップが長野さん(巨人)やって」

そこで思い始めたことがある。

「毎年、それをやっていれば最短で2000本とれるんやなって」

この数字はあくまで通過点。だが確実に、残り1074安打とした「大台」への道しるべにもなっている。残り8試合。長嶋超えの新記録は確実だ。「どの試合も勝たないといけないので明日も頑張ります」。敗戦にも前を向いた。また次の1本を追い求める1日がやって来る。【中野椋】