<ヤクルト-広島>◇18日◇神宮GLAYの「HOWEVER」が、久しぶりに神宮に流れた。その瞬間に、球場のボルテージが一気に上がった。聞き慣れたリズムが、その意味を示していた。「ヤフーレに代わりまして、バッター青木」。1点を追う5回先頭。今…

<ヤクルト-広島>◇18日◇神宮

GLAYの「HOWEVER」が、久しぶりに神宮に流れた。

その瞬間に、球場のボルテージが一気に上がった。聞き慣れたリズムが、その意味を示していた。「ヤフーレに代わりまして、バッター青木」。1点を追う5回先頭。今季限りでの現役引退を表明しているヤクルト青木宣親外野手(42)が、代打で登場した。球界野手最年長の42歳。名前がコールされると、拍手は自然と始まった。降りしきる雨の中、かっぱ姿のファンが打席に向かう男に注目した。

8月5日に抹消され、この日に1軍昇格。そこで結果を出すから、エンターテイナー。カウント2-1からの4球目、広島九里のツーシムを捉え、お手本のような中前打をマークした。ベンチは、まるで本塁打後のような、はしゃぎよう。お祭り騒ぎの雰囲気の中、1死二塁から、サンタナの右翼線への適時打で二塁走者青木は三塁を軽快に回って同点のホームを踏んだ。

誰よりも喜んでいたのは、青木と同じ宮崎自主トレ組の村上だった。プロとしてのたたずまいを学んだ先輩の前で、恩返し弾もかました。3点を追う4回無死一塁から右翼へリーグ単独トップの28号2ラン。ベンチで青木と久しぶりのハイタッチを交わし、特別な1日をかみしめた。【栗田尚樹】