<マーリンズ11-9ドジャース>◇17日(日本時間18日)◇ローンデポパーク【マイアミ(米フロリダ州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、歴史を刻んだ地で大記録に近づく1発を放った。マーリンズ戦に「1番DH…

<マーリンズ11-9ドジャース>◇17日(日本時間18日)◇ローンデポパーク

【マイアミ(米フロリダ州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】ドジャース大谷翔平投手(30)が、歴史を刻んだ地で大記録に近づく1発を放った。

マーリンズ戦に「1番DH」で出場し、5打数1安打2打点。第2打席で反撃開始となる48号2ランをマークした。昨年3月21日、WBCで胴上げ投手となった縁の深いローンデポパークで初本塁打。メジャー通算219号は、アジア出身の選手で最多となった。盗塁はなく、「50-50」達成まであと2本ずつ。チームは乱打戦に敗れた。一方で2位パドレスも負け、マジックは8に減り、ゲーム差3・5は変わらず。最短Vは22日(日本時間23日)となる。

   ◇   ◇   ◇

大谷が振り抜いた打球は、2階席まで大きな弧を描いた。完璧な手応えに直立してピタリ。自らの48号アーチを見上げた。0-4から反撃開始の号砲。「難しい球でしたけど、しっかりそこを打てたのは良かった」と振り返りながらも、「どちらかというと今日はやっぱり、自分のゾーンをなかなか信じきれてなかったので、そこ次第かなと思います」。3三振で4打席凡退し、チャンスを生かせなかったことに唇をかんだ。

頂点を味わった聖地マイアミでの“凱旋(がいせん)弾”。ローンデポパークでのプレーは、昨年3月のWBC決勝で米国を下して以来、1年半ぶりだったが、特別感については「逆のベンチ(一塁側)なので、あんまり一緒な感じはしなかった」とサラリ。この日はジャパニーズ・ヘリテージナイトとして開催され、試合前には日本の国旗が外野のバナーで映し出され、歌手のナオト・インティライミが君が代斉唱を担当した。歴史的な瞬間を思い起こさせるかのような歓迎ぶりだった。

前人未到の「50-50」へ、1つずつ積み上げるごとにファンの期待が徐々に高まる。この日も敵地ながら、大谷の打席で毎回、観客の歓声と拍手が上がった。いかに、いつも通りの意識で打席に立てるか。その手助けになるのが、チーム打撃だ。「本当に、いい打席を1打席でも重ねたい。それはもう、シーズン始まってから今まで変わらない」。1発の場面、4点ビハインドの1死一塁から、変化球なら引っ張った安打で走者を三塁まで進めるのがセオリーで、大谷の打撃はまさにその延長だった。

乱打戦に敗れ、痛い1敗を喫した。チームとして目指す頂点へ、その欠かせないピースになることを思い描き、全力プレーが続く。「楽な試合があんまり少ないので、チーム状況的に五分五分で今月も来てる感じ。あんまり今を意識する余裕がないというか、本当に今日の試合を勝って、1個でも多く首位に近づいていくというか、首位を維持していく、早く優勝が決まるようにっていうのが一番」。入団会見から繰り返し口にしてきた優勝の2文字。「50-50」の大台より、強く意識するものがある。

◆大谷とローンデポパーク 23年の第5回WBCでは2試合を戦った。準決勝(メキシコ戦)では1点を追う9回に先頭打者として右中間二塁打で出塁。ヘルメットを飛ばして走り、二塁塁上では、三塁側ベンチの日本選手をあおるように、3度も両手を下から上に振り上げた。決勝(米国戦)では試合前にロッカー室で「憧れるのをやめましょう。今日1日だけは、やっぱり憧れてしまったら超えられないんでね」の演説を行った。9回は抑えで登板。最後の打者トラウトを空振り三振に仕留め、胴上げ投手となった。MLB公式戦では3試合で12打数2安打1本塁打4打点2盗塁、打率1割6分7厘。