「広島2-11DeNA」(16日、マツダスタジアム) ほんまに勢いに乗り切れん…。広島が大勝翌日に大敗を喫した。先発・森下暢仁投手(27)が5回8安打、今季自己ワーストの6失点で8敗目を喫し、自身4連敗となった。巨人、阪神、DeNAと続い…

 「広島2-11DeNA」(16日、マツダスタジアム)

 ほんまに勢いに乗り切れん…。広島が大勝翌日に大敗を喫した。先発・森下暢仁投手(27)が5回8安打、今季自己ワーストの6失点で8敗目を喫し、自身4連敗となった。巨人、阪神、DeNAと続いた勝負の7連戦は1勝6敗で終了。自力優勝の可能性も消滅する事態に新井貴浩監督(47)は「目の前の試合を」と繰り返し、一戦必勝の姿勢をより強固にした。

 スタンドに座るシニアカープファンも浮かばれない。炎天下で長く重苦しい守備の時間が流れ続けた。今季ワーストの被安打18に失策も重なって2桁失点。勝負の7連戦で厳しい結果を突きつけられた新井監督は「そうだね、残り試合は少ないし。明日休みなんで、しっかり休んであさってに備えたいと思います」と上を向くしかなかった。

 先発・森下が勢いに乗れなかった。初回1死から牧に先制ソロを被弾。その裏に坂倉の同点ソロで試合は振り出しに戻るが、直後の二回に先頭からの4連打などで一挙に5失点した。無死一、二塁では東の三塁方向への犠打を森下自身が捕球して、三塁に送球しようとするも三塁ベースに小園が入っておらず進塁を許した。小さな連係ミスも失点につながってしまった。

 試合後に「ゲームを壊してしまって申し訳ないです」と苦々しい表情を見せた右腕は、これで8月27日・中日戦から自己ワーストタイの4連敗。今季初の中5日での登板でも不振から脱却できず、9月の月間防御率は9・20まで悪化した。「ランナーを出してから毎回、毎回粘り切れていない」。前日の同戦でプロ初勝利を挙げた同じ大分県出身のドラフト1位・常広が生み出した勢いを止めてしまった。

 その後もチーム全体として流れが悪く、1点を返した直後の七回は2死からの小園、菊池の連続失策でピンチを迎え、桑原の適時打でリードを再び広げられた。ここにきて今季チームワーストの5戦連続失策を記録。自慢の守備もほころび始めている点が痛い。

 この1週間でチームの立ち位置は大きく変わってしまった。7連戦前は首位・巨人と1差の2位だったが、7連戦後は首位・巨人と5差、4位・DeNAとは1差の3位に後退。自力優勝の可能性まで消滅し、指揮官は「まあそこは。残り試合少ないし、目の前の試合を…」と次戦に目を向けた。

 18日からは敵地の神宮球場で最下位・ヤクルトとの2連戦。現状打破への策は?そう問われた新井監督は「いろいろ考えていることは頭の中にあります」と思考を巡らせた。再上昇への一手-。今はこれに期待するしかない。