■清水のエース北川が11試合ぶりのゴール!「超攻撃的」が、爆発した。 J2リーグ第31節が9月14、15日に開催され、1試合消化が少なく暫定で2位の清水エスパルスは14日、6位のレノファ山口FCと対戦した。前節のV・ファーレン長崎戦を1対1…

■清水のエース北川が11試合ぶりのゴール!

「超攻撃的」が、爆発した。

 J2リーグ第31節が9月14、15日に開催され、1試合消化が少なく暫定で2位の清水エスパルスは14日、6位のレノファ山口FCと対戦した。前節のV・ファーレン長崎戦を1対1で引分け、「長崎戦の勝点1を価値あるものにする」(秋葉忠宏監督)という共通認識を持つ清水にとっては、しっかりと勝点3をとるべき一戦である。

 序盤のポイントはサイドにあった。山口のハイプレスをくぐり抜けて前進すると、内側を締めた相手の両サイドにスペースを見つけることができた。4試合ぶり先発の右SB原輝綺、左SB山原怜音が幅を取りつつ、トップ下の乾貴士がサイドチェンジを使って相手の守備ブロックを横に拡げていく。

 27分には先制点をあげる。左CKの流れで山原が左サイドからライナー性のクロスを入れると、1トップの北川航也がヘディングでゴール右へ流し込んだ。背番号23にとっては実に11試合ぶりとなるシーズン10得点目である。

 今シーズン無敗のホームで主導権を握った清水だが、後半に入った58分に山口が3枚替えをしてきたことで、試合の構図が微妙に変わっていく。65分には自陣右サイドのスローインからボールを失い、そのまま攻め込まれて同点弾を喫した。

 秋葉監督もすぐに動く。70分、ボランチの宇野禅斗とMFカルリーニョス・ジュニオを下げ、MF宮本航汰とMF矢島慎也を投入する。

 この選手交代が、試合を大きく動かす。

■秋葉采配ズバリ!!交代出場の選手が連続得点

 72分だった。ボランチ中村亮太朗の縦パスに、矢島が反応する。北川を追い越してDFラインの背後を取ると、胸コントールからGKの頭上を破るループシュートを決めたのだった。この日の清水に欠けていた2列目からの飛び出しと、中村の中距離パスが見事につながったゴールシーンだった。

 秋葉監督は77分に乾を、83分にはMFルーカス・ブラガと北川を下げ、アタッカー陣の顔触れを入れ替える。攻撃の出力を上げていくと、86分に左サイドでテンポ良くパスをつなぎ、最後はゴール正面の矢島がワンタッチシュートで仕留めて3点目をゲットする。

 すでに勝利は決定的となったが、清水は最後まで攻撃のアクセルを踏み続ける。89分、左CKからの競り合いでゴール前に残ったボールを、ドウグラス・タンキが左足でプッシュする。今シーズン4度目となる1試合4得点を記録し、山口を4対1で退けたのだった。

 矢島は7試合連続の途中出場で、勝利の立役者となった。北川と交代したドウグラス・タンキは、5試合ぶりの出場で1得点1アシストを記録した。ルーカス・ブラガに代わったMF郡司璃来は、6月16日の第20節以来の出場で、チームの3点目の流れに絡んでいる。

 清水は台風の影響で延期となった29節の徳島ヴォルティス戦を、中3日で消化することになっている。そこからさらに中3日で、藤枝MYFC戦が控える。徳島は連勝中、藤枝は3連勝中と状態の良い相手と、今シーズン苦手にしてきたアウェイで戦う。

 中3日の3連戦では疲労が気になるだけに、途中出場の選手が結果につながるパフォーマンスを見せたのは大きい。さらに大きいのは、エースFW北川にゴールが生まれたことだろう。

 徳島、藤枝とのアウェイ連戦の次は、首位を走る横浜FCとの直接対決だ。勝負の3連戦を前にエースが精神的に吹っ切れたことが、チームにとって何よりの好材料と言える。

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