広島県福山市を本拠にしたプロバスケットボールチームの結成を目指す。チーム名は、特産のデニムにちなんだ「びんご福山デニックス」。2030年度のBリーグ加盟を目指し、トライアウトで選手を集めており、代表の高村亨さん(45)は「スポーツビジネス…

 広島県福山市を本拠にしたプロバスケットボールチームの結成を目指す。チーム名は、特産のデニムにちなんだ「びんご福山デニックス」。2030年度のBリーグ加盟を目指し、トライアウトで選手を集めており、代表の高村亨さん(45)は「スポーツビジネスで備後を元気にしたい」と意気込む。

 福山市を含む備後圏域の中小企業の経営や、新たな起業の相談に応じる「福山ビジネスサポートセンター(フクビズ)」のセンター長でもある。「福山、備後は人口も多く経済力もあり、プロスポーツチームを成立させるのに十分な規模がある」と見込んでいる。

 子どものころからバスケ好き。昨年、漫画「スラムダンク」の映画版を見てバスケ熱に再び火がつき、練習場に通うようになった。そこで、バスケの強豪・広島皆実高校で主将を務め、福山の実業団でプレー経験のある長本海斗さん(32)と出会い、チーム結成の構想が一気に膨らんだ。

 「バスケは県内の競技人口も多く、世界的に見ても人気が高い。ビジネスとして将来性がある」

 選手獲得のためトライアウトを実施し、大学生などに合格を出した。10月に3回目を行い、外国人選手も含めて計12人を獲得する予定だ。長本さんをGM兼主将に据え、25年度から社会人リーグへの参加を目指す。

 スポンサーにあたる「パートナー企業」も現時点で数十社集まった。資金面の支援に加え、当面の間、選手が働く場も提供してもらう。条件が整えば、最速で30年度にBリーグに加盟できる可能性があるという。

 デニックスのスポンサー企業をビジネス面でサポートする事業なども思い描く。「大企業や中小企業が集まる備後はポテンシャルが高い。選手獲得などを通じてアジア各国とつながりを持ち、地元企業とのビジネスに発展させていければ」(矢代正晶)

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 群馬県榛名町(現・高崎市)出身。早稲田大卒業後、東京でアパレルやIT、ダンススタジオ運営などの仕事を経験。「地域活性化の仕事をしてみたい」と、福山市が2016年に「フクビズ」を立ち上げる際の公募に応じ、福山にやって来た。