巨人は14日、最下位ヤクルトにまさかの2連敗を喫し、2位・阪神に2差に迫られた。 フラストレーションがたまる試合を象徴する場面は4点を追う七回。1点を返し、なおも1死一、二塁で岡本和真内野手が見逃し三振。3球三振のストライク判定に岡本和は…

 巨人は14日、最下位ヤクルトにまさかの2連敗を喫し、2位・阪神に2差に迫られた。

 フラストレーションがたまる試合を象徴する場面は4点を追う七回。1点を返し、なおも1死一、二塁で岡本和真内野手が見逃し三振。3球三振のストライク判定に岡本和は敷田球審に視線を送り、苦笑した。

 さらにすれ違いざまに岡本和が何かを呟いたことで、敷田球審が反応。岡本和も振り向き、両者詰め寄る形で一触即発ムードとなった。慌てて二岡ヘッドが飛びだし、岡本和の両肩を持ってベンチに戻した。

 この時、一塁走者の坂本も不穏な空気を察して、いち早く駆け寄っていた。先に二岡ヘッドが間に入ったことで坂本は引いたが、珍しい光景に球場は騒然となった。

 岡本和は前日13日のヤクルト戦(神宮)でも、七回に内角低めの一球で見逃し三振。この打席が伏線となっている可能性もあるが、今季は他の打席でも判定に不服な表情を浮かべ、球審と不穏な空気になる場面があった。

 デイリースポーツOBの評論家・関本四十四氏は「微妙な一球だったのは確かで、俺は6・4でボールだとは思った。ただ、体が少し開いていたし、遠く見えたんだろうな。外のスライダーで、タイミングが外れやすいボールでもあった」と振り返った。

 8月は得点圏打率・158と苦しんだ岡本和。勝負の9月、優勝争いが佳境を迎える中で、関本氏は「4番として俺が打たないと、と重圧を感じていることもあるだろうな。一発も出ず、目安にしているであろう30発(現在22本)も厳しくなりつつあって焦りもある。そうしたさまざまな感情が、ああいった滅多に見せない行動に出てしまったんだとは思う」と語った。

 坂本、二岡ヘッドの行動には「当然、4番が退場にでもなったらさらに雰囲気が重くなるからな。すぐに下げたのは良かった」とした。阪神と2差に迫られている現状には「今年は首位に立っても、どのチームも勢いそのままに突き抜けることができない。それだけ、力がきっ抗しているということ。阪神には高橋もいるし、最後まで分からないシーズンになった」と語った。