「東京六大学野球、早大20-0東大」(14日、神宮球場) 開幕して1回戦2試合が行われ、早大が東大に先勝した。今秋ドラフト候補の吉納翼外野手(4年・東邦)が2本塁打を放ち、リーグ記録にあと「1」と迫る1試合7打点の活躍。NPBスカウト4球…

 「東京六大学野球、早大20-0東大」(14日、神宮球場)

 開幕して1回戦2試合が行われ、早大が東大に先勝した。今秋ドラフト候補の吉納翼外野手(4年・東邦)が2本塁打を放ち、リーグ記録にあと「1」と迫る1試合7打点の活躍。NPBスカウト4球団の前でアピールした。立大は慶大にサヨナラで白星発進。西武、巨人などで活躍した清原和博氏(57)の長男で、プロ志望届を提出した慶大の正吾内野手(4年・慶応)は無安打に終わった。

 力感のないスイングから放たれた打球が神宮に大きなアーチを描いた。6日にプロ志望届を提出し、挑んだ勝負の秋。吉納が初戦から大暴れだ。

 見せ場は3点リードの四回1死満塁で迎えた第3打席。「1打席目の内容がイメージと少しズレてたんですけど、しっかり修正できた」とカウント1-3から真ん中直球を捉えた。打球はバックスクリーン右に飛び込む満塁弾に。「満塁だからと意識せず、自分の打撃ができた」と納得顔だ。

 さらに九回1死二、三塁では、フルカウントから甘く入ったスライダーを一閃(いっせん)。打った瞬間それと分かる打球を、右翼席へたたき込んだ。実は打席で右脚をつるアクシデントに見舞われていたが、ものともせず。夏場に「ボールの見方」を変え、「軸を意識して振ること」を徹底したことが奏功した。

 視察した楽天・井上スカウトは「長打の魅力」に加え「送球力が高くて走塁も安定してる」と評価。ロッテ・福澤スカウトも「選球眼も良いし出塁率も高い。長打も打てるとなると、もっと魅力が上がる」と話した。

 個人の目標もさることながら「まずは優勝するために」と吉納。春秋連覇へ向けて力を尽くす。