いよいよ秋の声が聞こえはじめると、Jリーグも終盤戦へ。頂点を目指す優勝争いや生き残りをかけた残留バトルは、さらに激しさを増していく。各チームのこれまでの戦いを振り返るとともに、2024シーズン終了までの見逃せないポイントを、ベテランのサッ…

 いよいよ秋の声が聞こえはじめると、Jリーグも終盤戦へ。頂点を目指す優勝争いや生き残りをかけた残留バトルは、さらに激しさを増していく。各チームのこれまでの戦いを振り返るとともに、2024シーズン終了までの見逃せないポイントを、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が語り尽くす!

■優勝争いに臨む「挑戦者を決める」大一番

――今後、注目するチームはどこですか。

大住「やはり優勝争いするチームだよね」

後藤「直近なら、中断期間明けの初戦となる、第30節の鹿島アントラーズサンフレッチェ広島の対戦だな。優勝争いに臨む挑戦者を決める決定戦。準決勝みたいな試合だね」

大住「どのチームにも、終盤だからこそ頑張ってほしいんだよ。セレッソ大阪もそうだし、FC東京名古屋グランパス浦和レッズ川崎フロンターレも、上位進出が期待され、自分たちも期待してシーズンに入ったチームが中途半端な順位にいるというのは、ファンの気持ちもなえるし、良くないと思う。頑張って、来年につながるような終盤にしないといけないよね。ダメだから監督を代えろとか、勝ったり負けたりするばかりでよく分からないままに終わるんじゃなくて、しっかりシーズンを締めてほしい。多くのチームにとってはリーグ戦しか残っていないわけだし、月に2、3試合ずつしかないんだから、力を出し切ってほしいよね」

■Jクラブに欲しい「ホームで勝つ」意識

後藤「それに僕は、ホームゲームで勝てるようにしてほしいね。ヨーロッパのように最初からアウェイだからというだけで守りに入るという文化はおかしいと思うけど、ホームでもっと勝とうという意識は、もっと強く持つべきだよね」

大住「口ではそういうんだけど、プレーに表れないんだよね。なぜかホームゲームになると、うまくいかなくなったりしてさ。アウェイでは引き分けでもいいからホームでは絶対に勝てという極端な文化に、一度はある程度、走ってもいいのかもしれないね。だって、ホームでは勝利を積み重ねて、アウェイで引き分けを続けたら、けっこう良いところまでいけると思うよ」

後藤「そうだよ、それを目指そうよ。ホームで負けて、アウェイで勝って、の繰り返しをしていてもしょうがないじゃない」

■新スタジアムができると「降格する」

大住「広島はホームで強いというイメージがあるな。新しいスタジアムができると降格するというジンクスが最近のJリーグではあったけど、今年からホームスタジアムになったサッカー専用のエディオンピースウイング広島は大好評のようだし、新しいスタジアムで優勝できたら素晴らしいだろうね」

後藤「バスケットボールのBリーグでは昨シーズン、広島ドラゴンフライズが初優勝したし、今年サンフレッチェ広島、さらにプロ野球の広島カープが優勝したら、大変なことになるね。広島が日本のスポーツの頂点に立つことになるよ」

――今季ここまでのJ1で、ホームで9勝を挙げているのは広島と鹿島だけです。しかも鹿島はホーム無敗です。

後藤「大注目の次節で対戦する2チームだね。今回の対戦は鹿島のホームゲームか。さてどうなるか、やはり注目の準決勝だね」

――次節の結果を受けても、優勝争いも残留争いも混戦が続きそうですね。

後藤「それは間違いないよね」

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