特大のポテンシャルを発揮し続けている大谷。(C)Getty Images 果たして、フルタイムの指名打者(DH)で史上初となるMVPは生まれるか。大谷翔平(ドジャース)の活躍に注目が集まっている。 現時点で可能性は大いにあると言えよ…

特大のポテンシャルを発揮し続けている大谷。(C)Getty Images

 果たして、フルタイムの指名打者(DH)で史上初となるMVPは生まれるか。大谷翔平(ドジャース)の活躍に注目が集まっている。

 現時点で可能性は大いにあると言えよう。現地時間9月13日時点で打率.290、47本塁打、104打点、48盗塁、OPS.986を記録。前人未到の「シーズン50本塁打・50盗塁」を目前にし、米メディアでも“金字塔”に関する話題は日夜論じられている。

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 もっとも、過去にDHでMVPに輝いた選手はいない。とくに近年のメジャーのMVP投票で重要視されるようになっている指標「WAR」で、他のポジションと貢献度を比較する際にDHは例外なくマイナス評価が下されるため、“守備に就かない”選手への評価がよりシビアとなっている。

 そうした中で、受賞が有力視される大谷はやはり異彩を放つ。それは日米両球界を知るレジェンドも認めるところだ。かつて楽天に在籍し、MLBでは2005年に2冠王(本塁打&打点)に輝いたアンドリュー・ジョーンズ氏は、米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』に出演した際に「今、彼がやっていることは信じられないことだ。MVPか? うん、そうだと思う」と力説した。

 MLB17年のキャリアで434本塁打に加え、10度のゴールデングラブ賞を手にしたジョーンズ氏は、大谷がプロキャリアを始めた2013年から2年間、楽天に在籍。1年目には球団の日本一にも貢献した名助っ人だ。

 メジャーリーグの酸いも甘いも知り、なおかつ日本の野球を熟知する名手は、現在に至るまでの大谷の成長を、次のように称賛している。

「ドジャースでショウヘイ・オオタニがやっていることを当たり前のように見るべきではないと思う。僕は当初、彼が『素晴らしい選手で、良い外野手になれる』と思ったんだ。それぐらい印象的で、あらゆる能力があったんだ。

 背が高くて、常にスピードもあった。ただ、初めて見た頃の彼のバッティングはまだ不安定で、僕は『この選手は投手に専念したいのかもしれない』とも思った。しかし、彼はその考えを覆させた。彼はメジャーリーグにも適応し、僕らはその過程を見てきた」

 打者専任となっても、特大のインパクトを残し続ける大谷。レジェンドの考えを覆させた才覚は、やはり稀有だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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