「阪神7-3広島」(13日、甲子園球場) 新井カープが崖っぷちに立たされた。投打がかみ合わず、今季ワーストタイの5連敗で7月16日以来の3位転落。連敗ストップを大瀬良大地投手(33)に託したが、同ワーストの9安打を許すなど五回途中5失点(…

 「阪神7-3広島」(13日、甲子園球場)

 新井カープが崖っぷちに立たされた。投打がかみ合わず、今季ワーストタイの5連敗で7月16日以来の3位転落。連敗ストップを大瀬良大地投手(33)に託したが、同ワーストの9安打を許すなど五回途中5失点(自責点4)で5敗目。エースでも負の流れは止まらなかった。振り向けば4位・DeNAとは1ゲーム差。今こそ底力を見せてくれ!

 頂点への視界が一気に霞んでいく。頼みのエースでも、悪い流れを断ち切ることができない。五回途中でマウンドを降りた大瀬良。表情を変えることなく三塁ベンチへと歩いた様子は、必死に悔しさを押し殺しているようにも映った。「結果的にうまくいかず悔しさも、もどかしさもある」と唇をかみながら心境を明かした。

 1点リードの二回は2死一、二塁で9番・高橋に強烈なピッチャー返しを受けた。大瀬良は左足で懸命に打球を止めようとしたが、投手強襲の内野安打で満塁となった。続く近本に押し出し四球を与え、同点。22年5月27日・ソフトバンク戦以来、プロ2度目の押し出し四球から徐々に歯車がズレていく。

 四回は2死二、三塁で近本に勝ち越しの2点適時中前打を浴び、その後は味方の失策も絡んで計3失点。五回は連打と犠打で1死二、三塁となったところで新井監督がベンチを立った。

 今季22試合目の登板で初めて五回を投げ切れず、同ワーストの9安打で5失点(自責点4)。打ち取った打球がことごとくヒットゾーンに飛ぶなど、不運な形で流れを明け渡した。ただ本人は「それも含め、この時期になると結果が全て」と、一切の言い訳をしなかった。新井監督も「不運な面もあったので、また切り替えて次の登板で頑張ってもらいたい」と背中を押した。

 攻撃陣は今季2戦2敗だった高橋に、この日も苦戦した。4点を追う六回に2点を返すも完全攻略とはいかず、相手左腕にはこれで3戦3敗。先制しても試合を振り出しに戻され、反撃を開始しても直後にリードを広げられる悪循環で阪神に順位を抜かれた。

 9月は2勝9敗と大きく足踏み。3日・DeNA戦から10試合連続3得点以下と、活気ある攻撃を展開できていない。4位・DeNAには1ゲーム差に迫られ“振り向けば横浜”という危機。上位2チームだけを見ていられる状況ではなくなってきた。

 ただ、指揮官は前を向く。「選手は今持てる力を、精いっぱい出してくれている。結果を恐れずに攻めていってもらえたらいい。何かのきっかけで変わると思う。それが明日来るように頑張りたい」。トンネルの出口は必ずあると信じて、停滞ムードを打ち破りたい。