今季限りでの現役引退を発表したオリックス安達了一内野手(36)が13日、京セラドーム大阪内で引退会見を開いた。かつては遊撃を、近年は二塁を守った堅実な守備がプロとしての生命線。それだけに、5月1日のロッテ戦が引退の引き金になったと明かした。…

今季限りでの現役引退を発表したオリックス安達了一内野手(36)が13日、京セラドーム大阪内で引退会見を開いた。かつては遊撃を、近年は二塁を守った堅実な守備がプロとしての生命線。それだけに、5月1日のロッテ戦が引退の引き金になったと明かした。

「自分の中で守備が守れなくなったら引退と決めていた。あのほっともっとの試合で1試合3失策したあたりから、様子がおかしくなって。そこからだいぶ悩むようになりました。自分の分かれ道だったのかなと思いました」。パ・リーグの二塁手では史上初となる1イニング3失策と不名誉な記録を残してしまった。

東芝から11年ドラフト1位で入団した生え抜き。チームが優勝から遠ざかった時期をともに支えたT-岡田と、同じタイミングでユニホームを脱ぐことになった。「Tとは、どうやって強くするかをいろいろ話した仲でもありますし、すごくいい関係でいられました。本当にいてくれてよかったなと思います」と涙ぐんだ。21年から一緒にリーグ3連覇も経験。「本当に、低迷期から2人でやってきて、まさか優勝できると思ってなかったんで、2人で喜び合えて良かったです」と振り返った。

16年1月に難病の潰瘍性大腸炎を発症しながら、プレーを続けた。その時は引退も考えたが、思い直した。「やっぱり家族の支えだったり、ファンの方がSNSを通じていろいろ励ましてくれたんで、頑張ろうという気持ちでやっていました。手紙とかも結構来て、僕も潰瘍性大腸炎ですとか、病気ですって言われたり、結構あったんで。自分もそういう人たちのために、まだやんなくちゃいけないなと思いながらずっと野球を続けてました」との思いを述べた。

会見の終盤にはサプライズで登場したT-岡田から花束を渡された。安達は「2人で本当に弱い時から支えてきたので。感謝してますね。何を言ったらいいかわかんない。Tがいたからここまでできたってのはあるので」と再び涙ぐんだ。最後に「報道陣の皆さま、安達了一という名前をいい時も悪い時も全国に広めていただき、本当にありがとうございました」と頭を下げ、会見を締めた。

◆安達了一(あだち・りょういち)1988年(昭63)1月7日生まれ、群馬県出身。榛名-上武大-東芝を経て、11年ドラフト1位でオリックス入団。16年1月には潰瘍性大腸炎で入院も、同年7月には月間MVPを受賞するなど、病気と闘いながら野球を続けてきた。21~23年の3連覇に貢献し、日本シリーズにも出場。179センチ、80キロ。右投げ右打ち。