国民スポーツ大会のアーティスティックスイミング(AS)に、佐賀学園高3年のペアが挑んだ。佐賀県内にはASの指導者が不在で、クラブもない不毛の地。結成して3年目の冨田恵未選手と中村遥菜選手のペアが、地元開催をきっかけに7日にSAGAアクア(…
国民スポーツ大会のアーティスティックスイミング(AS)に、佐賀学園高3年のペアが挑んだ。佐賀県内にはASの指導者が不在で、クラブもない不毛の地。結成して3年目の冨田恵未選手と中村遥菜選手のペアが、地元開催をきっかけに7日にSAGAアクア(佐賀市)であったASに県勢として初出場し、歴史を刻んだ。
2人はジュニア時代から福岡市内のASクラブで練習していた。佐賀県水泳連盟の副島学理事長(63)によると、福岡の関係者から、2人が佐賀学園高に入学すると伝わり、県代表として白羽の矢が立った。高校入学後は週5日ほど、片道約1時間半かけて福岡まで通った。高校の水泳部にも所属し、時間があるときは学校で鍛えてきた。
ともにASは高校までという。「最後」の大会には少年女子デュエットで18都府県の代表が出場、佐賀の2人はテクニカルとフリーのルーティンとも18位だった。それでも「最高です」と口をそろえた。
小学生の時に一度競技を離れ、中学から復帰した中村選手は「組んだ時はバラバラで間違えることも多かった。恵未から教えてもらいながら、国スポで終わることができた」。冨田選手は「今までこの競技を知らなかった人もいたと思う。代表の責任感やプレッシャーはあったが、最終的には楽しんでやりきれた」と振り返った。
副島理事長は「水泳競技で県勢は、ASだけ出たことがなかった。第一歩。不毛の地に代表として出場してくれたことに感謝です」と健闘をたたえた。(森田博志)