ここで来るのか!!広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=が15日・DeNA戦(マツダ)でプロ初登板初先発することが9日、明らかになった。熾烈(しれつ)な優勝争いのまっただ中での初陣となる。チームは10日から1差で追う首位・巨…

 ここで来るのか!!広島のドラフト1位・常広羽也斗投手(22)=青学大=が15日・DeNA戦(マツダ)でプロ初登板初先発することが9日、明らかになった。熾烈(しれつ)な優勝争いのまっただ中での初陣となる。チームは10日から1差で追う首位・巨人と3連戦。このカードで3連勝するとマジック16が点灯する。先輩たちが流れをつくり、黄金新人に勝利のバトンを渡す。

 誰もがアッと驚く大抜てきだろう。それをさらりとやってのけてしまうのが“新井マジック”なのか-。1軍未登板の投手を優勝戦線のド真ん中に先発として送り込む。さぁ思う存分やってみろ!と言わんばかりの起用。並の胆力ではできない決断を首脳陣は下した。

 常広は、ここまでウエスタンで11試合に登板し、2勝6敗、防御率4・06の成績を残している。数字上は負けが先行しているが、8日に筑後で行われたウエスタン・ソフトバンク戦では8安打を浴びながらも公式戦でのプロ初完投初完封勝利をマーク。菊地原1軍投手コーチは「ファームで完封をして、その前も良いピッチングしていた。春先と比べて良くなっているという情報も入ってきているので、そこを期待してというところ」と今回の抜てきの意図を説明した。

 昨秋ドラフトで2球団競合の末にカープに入団した右腕。即戦力として期待されながらも、春先は体作りを優先したスロー調整に徹し、初実戦は4月中旬だった。そこからも間隔を空けながら2軍戦で登板していた中、8月11日のウエスタン・ソフトバンク戦(由宇)で6回無失点の好投を見せ、公式戦プロ初勝利。その際には「ずっと自分はこういうボールが投げたいと思ってフォーム作りをしてきて、今日はこういう感じかなという球が何球かあった。これを続けられるようにしていきたい」と手応えをにじませていた。

 チームは現在2位につけ、首位・巨人を1差で追う。その宿敵とは10日から本拠地での3連戦が予定されており、森下、アドゥワ、床田の順で先発する予定。13日からは敵地で3位・阪神との2連戦が控えており、ここは大瀬良と森に託す。この上位との2カードを勝ち切り、上昇ムードの高まった状態で常広にバトンを渡したい。

 菊地原投手コーチは「『結果を出してくれ』なんて言うつもりもないし、その中で本人がやってきたことを出してくれればいい」と背中を押した。ついにやってきた大物新人の初陣。広島の若き希望の星が瞬く間に主役へと躍り出る。

 【常広の経過】

 ◆24年1月7日 大野寮に入寮

 ◆同17~19日 大学のテスト受験のため上京。22日から再上京し、卒業試験

 ◆2月1日 2軍でキャンプイン

 ◆同7日 新井監督の前で初めてブルペン入り

 ◆同10日 1軍キャンプに合流

 ◆同27日 キャンプ終了。その後2軍に合流し、コンディション不良で3軍へ

 ◆3月中旬 ブルペン投球再開

 ◆4月17日 由宇でプロ入り後初のシート打撃登板

 ◆同26日 マツダスタジアムで“初登板”となるシート打撃に登板する

 ◆5月7日 ウエスタン・阪神戦(由宇)でプロ初公式戦登板。3回3失点も5三振

 ◆8月11日 ウエスタン・ソフトバンク戦(由宇)で6回無失点の好投で公式戦プロ初勝利

 ◆9月8日 ウエスタン・ソフトバンク戦(筑後)で8安打プロ初完封

 ◆常広羽也斗(つねひろ・はやと)2001年9月18日生まれ、22歳。大分市出身。180センチ、77キロ。右投げ右打ち。投手。大分舞鶴、青学大を経て2023年度ドラフト1位で広島入団。ウエスタン初登板は24年5月7日・阪神戦。今季ウエスタンは11試合で2勝6敗、防御率4.06。