■清水は今シーズン初めてホームで先制される「超攻撃的」が、6ポイントマッチに挑んだ。 J2リーグ第30節が9月7、8日に行なわれ、暫定2位の清水エスパスは7日、同3位のV・ファーレン長崎をホームに迎えた。 前節の徳島ヴォルティス戦が台風の影…

■清水は今シーズン初めてホームで先制される

「超攻撃的」が、6ポイントマッチに挑んだ。

 J2リーグ第30節が9月7、8日に行なわれ、暫定2位の清水エスパスは7日、同3位のV・ファーレン長崎をホームに迎えた。

 前節の徳島ヴォルティス戦が台風の影響で中止なった清水は、消化試合数がひとつ少なく、勝点63の横浜FCに首位を譲っている状況だ。清水の勝点は61で、この日は勝点53の長崎との直接対決である。勝点8差を11に広げることができれば、J1自動昇格圏の2位以内確保に一歩近づく。

 清水はCB高橋祐治が27節のヴァンフォーレ甲府戦以来のスタメン復帰を果たし、いつもの4-2-3-1を組む。守備時は4-4-2へ可変し、1トップの北川航也とトップ下の乾貴士が前線から激しくボールをチェイスする。マイボールの局面では乾を中心にショートパスをつなぎながら、サイドチェンジを織り交ぜて相手の目線を揺さぶる。試合の入りは悪くなかったが、24分に先制点を喫する。

 右SB北爪健吾のバックパスが高橋につながらず、相手FWマルコス・ギリェルメにボールを奪われる。ゴール前へのクロスがMFマテウス・ジェズスにつながり、ペナルティエリア内左からコントロールショットを決められてしまった。今シーズン初めて、ホームで先制点を許すこととなった。

 J1自動昇格圏をめぐる6ポイントマッチだけに、局面の攻防は激しい。清水も長崎のゴールへ迫り、前半だけで9本のシュートを浴びせたが、0対1のままハーフタイムを迎えた。

■乾の絶妙アシストからL・ブラガが同点弾

 後半開始早々の50分、清水は同点に追いつく。自陣センターサークル手前でパスを受けた乾が、ドリブルで持ち出す。巧みなコース取りでペナルティエリア手前まで運ぶと、右側から並走したルーカス・ブラガへ丁寧なラストパスを届ける。ブラジル人アタッカーはペナルティエリア内からコンパクトに右足を振り抜くと、GKの手を弾いた一撃がゴールネットを揺らした。

 ホームのIAIスタジアム日本平で今シーズン負けなしの清水は、1対1に追いつくと一気に攻撃のギアを上げていく。前半から攻撃参加に積極的だった両SBに加えて、ダブルボランチの宇野禅斗と中村亮太朗もゴール前へ飛び出し、ラストパスやシュートに関わっていく。

 58分、左サイドの乾のクロスから、北川が同サイドに走り込んで頭で合わせる。北川はその直後にもペナルティエリア内右から、素早いターンで右足のフィニッシュへ持ち込んだ。チームトップの9ゴールを挙げているものの、6月8日の藤枝MYFC戦からゴールがないエースは、貪欲にゴールへ迫っていく。

 68分には右CKから高橋がフリーになる。ゴール正面からヘディングシュートを放ったが、バーを越えていく。

 秋葉忠宏監督が動いたのは79分だった。MFルーカス・ブラガとMFカルリーニョス・ジュニオを下げ、MF西原源樹とMF矢島慎也を投入する。2列目は右から矢島、乾、西原の並びとなる。

 86分にも2枚替えをする。北爪と北川に代えて、DF吉田豊とDF蓮川壮大が登場する。システムは3-4-2-1となり、乾が最前線に立つ。

 臨機応変にポジションをとる乾が数多くボールに触ることで、清水は最後まで長崎のゴールへ迫った。前半に比べて相手守備陣を左右に揺さぶる場面が増え、敵陣深くまで侵入する場面も増やした。後半は11本のシュートを浴びせ、長崎には1本も打たせなかったが、2点目を奪うことはできなかった。

 試合後のフラッシュインタビューに応じた秋葉監督は、「J1に昇格するため、J2で優勝するためにこの勝点1が必要だったと、後々言えるようなゲームにしたい」と話した。3位の長崎との勝点差「8」は変わらなかったが、今節勝利した首位・横浜FCとの勝点差は「2」から「4」に開いた。9月28日に控える横浜FCとの直接対決まで勝点を積み重ね、首位チームにプレッシャーをかけ続けたい。

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