「ドジャース4-0ガーディアンズ」(8日、ロサンゼルス) 右翼ポール近くを通過した飛距離137メートルの特大ホームラン。ドジャースの大谷が五回に放った打球が球審によるビデオ裁定に持ち込まれた。 「私はよく見える場所にいた。あれは入っていた…

 「ドジャース4-0ガーディアンズ」(8日、ロサンゼルス)

 右翼ポール近くを通過した飛距離137メートルの特大ホームラン。ドジャースの大谷が五回に放った打球が球審によるビデオ裁定に持ち込まれた。

 「私はよく見える場所にいた。あれは入っていた」。

 試合後の会見。三塁側ベンチから打球の行方を追ったロバーツ監督は確信を持って球審の裁定を待ったという。

 打席内の大谷の心境はどうだったのか。前日の試合でも初回の打席で初球を右翼ポール際へ特大ファウルを打っていたとあって「昨日もフェアになるんじゃないかなと思って切れたので、どうかなと思ってましたけど、しっかりと残ってくれてたのでよかったなと思います」と安どの表情を見せた。

 打球の到達地点は右翼ポールそばの2階席の上、スイートルームの防球フェンスに掲げられた、1955年のチャンピオンプレート。ブルックリン時代にドジャースが成し遂げた球団初の世界一の金属板近くに時速188キロの打球が直撃した。「彼ほど遠く、強い打球を打つ打者を見たことがない。あんなに遠くまで飛ばした打者を初めて見たよ」。指揮官が目を丸くした。

 この1本で21年の自己最多に並んだ。ナ・リーグトップタイの101打点、三回の中前打と合わせてシーズン162安打はいずれも自己最多の数字だ。自分の記録を超えていく意味を問われた大谷がふと本音を漏らす。

 「チームがもう変わってる(昨季まで6年間はエンゼルスでプレー)ので、あんまり今年は、自分の数字がどうのこうのみたいなっていうのを気にする余裕もあんまりないなっていう感じはします。今もしっかりと(ドジャースは)首位にはいますけど、各ゲームで勝っていって、早く地区優勝を決めたいなっていうところでしかない。また切り替えて明日も頑張りたいなと思ってます」

 ア・リーグ中地区首位を走る強敵、ガーディアンズに連勝。ナ・リーグ西地区のペナントを争っている2位パドレスが敗れ、ゲーム差は6に広がった。

 シーズン19試合を残し、年間ペースは52本塁打、52盗塁。前人未踏の「50-50」を射程圏内にとらえているが、「あんまり意識はしないようにはもちろんしてる」と大谷。「それよりは自分のいい感覚の打席を増やしたいなと思ってますし、走塁ではいける時にしっかり進塁できれば、それが盗塁じゃなかったとしても、タッチアップだとしても、しっかりと進塁する意識は持ちたいなとは思ってます」と続けた。

 ドジャースはあす9日から11日までカブス3連戦を戦った後、6試合の遠征に出て、20日からシーズン最後のホーム6試合を戦う。ロバーツ監督は地元ファンの気持ちを代弁するかのように「『50-50』はぜひホームで達成してほしいね」と言った。