「広島3-4中日」(8日、マツダスタジアム) 広島が競り負け、2年ぶりにシーズンの中日戦負け越しが決まった。新井貴浩監督(47)は四回に松山を代打で送り、七回からはハーンを来日初の回またぎで起用。九回はビハインドの展開で栗林を投入するなど…

 「広島3-4中日」(8日、マツダスタジアム)

 広島が競り負け、2年ぶりにシーズンの中日戦負け越しが決まった。新井貴浩監督(47)は四回に松山を代打で送り、七回からはハーンを来日初の回またぎで起用。九回はビハインドの展開で栗林を投入するなど、執念の采配を見せた。10日からは1ゲーム差の首位・巨人と直接対決。指揮官は「みんなで頑張っていきたい」と改めて全員野球の姿勢を示した。

 最後の反撃を信じたファンの声援が、ため息に変わった。次から次へと勝負のカードを切った積極タクト。攻めに転じた采配を繰り出したが、勝利の女神を振り向かせることはできなかった。2カード連続の負け越しにも、新井監督は「みんな最後まであきらめない、追い付いてひっくり返すという気持ちが出ていたと思う」と攻守両面での粘りをたたえた。

 先発・玉村は初回無死一塁で福永に右中間を破られ、1死三塁から細川に左中間へ2ランをたたき込まれて3失点。3回5安打3失点で5敗目を喫した左腕は「立ち上がりに失点してしまい、悪い流れをつくってしまった」と唇をかんだ。

 打線は4点を追う四回は2点を返して、柳から今季18イニング目で初得点。なおも2死三塁で、この日1軍に再昇格した松山を送り込んだ。ベテランのバットに期待が高まったが、結果は右飛。一気にたたみかけることはできなかった。

 指揮官は「相手もブルペン陣が強力なので、何とか早い段階で点差を詰めたい、追い付きたいと思って」と説明した。五回に野間の適時打で1点差に迫るも後続が凡退。六回からは相手の継投の前に封じられたが、自軍のリリーフ陣も懸命に腕を振った。

 1点差の七回からはハーンが登板。来日初の回またぎとなった八回は1死一、二塁をしのぎ「チームの勝ちに貢献できるよう、自分ができることがあれば何でもやる。それに沿っただけ」と頼もしい言葉を並べた。

 九回には栗林を投入。守護神がビハインドの場面で登板するのは4月7日以来、今季2度目で「彼にビハインドで行ってもらうのは、野手陣へのメッセージでもあった」と指揮官。反撃への機運を高めたが、あとひと押しができなかった。シーズンの中日戦負け越しが決まったが、首位・巨人も敗れたためゲーム差は1のまま。いよいよ10日からは本拠地で直接対決3連戦が待つ。

 優勝争いの行方を左右する戦いになるが、新井監督は「どこが相手だろうが1試合1試合、1球1球ね。みんなで頑張っていきたい。どんどん攻めていってもらえば」とこれまで通りの積極プレーを体現できるよう、選手の背中を押していく構え。ナイン全員の総力を結集させ、巨人に挑む。