「ヤクルト5-3阪神」(8日、神宮球場) 打点王のタイトルが見えてきた。阪神・森下翔太外野手(24)が四回に10試合ぶりの13号2ラン。今季66打点とし、打点王争いでトップへ2差に迫った。チームの連勝は5で止まったが、上位2チームも敗れた…

 「ヤクルト5-3阪神」(8日、神宮球場)

 打点王のタイトルが見えてきた。阪神・森下翔太外野手(24)が四回に10試合ぶりの13号2ラン。今季66打点とし、打点王争いでトップへ2差に迫った。チームの連勝は5で止まったが、上位2チームも敗れたため、首位・巨人との2・5ゲーム差は変わらず。10日からは甲子園に戻って7連戦。5戦連続安打&打点の若武者が、逆転Vへチームを再加速させる。

 重苦しい空気を、豪快な一撃が切り裂いた。敗戦の中にも光った森下の存在感。変わらず勝負強い打撃で、意地を見せた。ただ、森下の言葉には悔しさがにじんでいた。

 「0点でズルズルといくより早く点を取って、なんとか流れをうちに持っていけたらよかったですけど。なかなか自分も含めて打線となって攻撃できなかったんで、あさって以降頑張りたいです」

 二回に西勇が山田に先制2ランを被弾。三回にも佐藤輝の失策からピンチを招き、沢井に3ランを被弾した。5点差をつけられて迎えた四回1死一塁。森下は追い込まれてからの6球目、高梨のフォークをフルスイングした。打球はぐんぐん伸び、バックスクリーン左にズドン。「コンパクトにうまく打つことができました」。8月25日・広島戦(マツダ)以来、10試合ぶりの13号2ランで反撃ののろしを上げた。

 一方で反省も多い試合だった。初回は1死一塁の好機で、遊撃への併殺打に倒れた。4試合連続の先制適時打とはならず、「初回は先攻なので、特に大事。自分が大山さんにいい形でつなげていれば、展開はわからなかったと思うので。起こったことはしょうがないですけど、次起こらないように努力したい」と唇をかんだ。

 3点を追う六回1死一、二塁でも遊飛に。2点差とした八回2死三塁でも右飛で追い上げることはできなかった。「ああいうところで打つために3番に入ってると思うんで。また、ああいう場面があった時に逃さないようにしたい」と反省の言葉を繰り返した。

 ただ、これで5戦連続安打、打点をマーク。66打点となり、リーグ1位の岡本和に2差と迫った。初タイトルとなる打点王を射程圏に捉えているが、「もう勝つことだけにフォーカスしてやっているので。そこは見てないです、あんまり」と受け流した。

 悔しい敗戦とはなったが、首位・巨人、2位・広島も負けたためゲーム差は変わらず。巨人とは2・5ゲーム差、広島とは1・5ゲーム差で10日からDeNA、広島、ヤクルトと続く甲子園7連戦を戦う。「本当は勝ち切りたかったですけど、今日も。しょうがないんで切り替えて、ホームゲームが続くので、ホームでなんとか連勝できるようにしたい」。本当の勝負はここから。森下はしっかりと前を見据え、神宮を後にした。