「ヤクルト5-3阪神」(8日、神宮球場) 746日ぶりの勝利を手にしたヤクルト・高梨裕稔投手が、ウイニングボールを持って向かったのは高津監督の元だった。「(プロ)初勝利か」と突っ込まれ、「監督。300勝らしいです」と笑う。節目の白星を指揮…

 「ヤクルト5-3阪神」(8日、神宮球場)

 746日ぶりの勝利を手にしたヤクルト・高梨裕稔投手が、ウイニングボールを持って向かったのは高津監督の元だった。「(プロ)初勝利か」と突っ込まれ、「監督。300勝らしいです」と笑う。節目の白星を指揮官へ届けるうれしい今季初勝利だ。

 5点リードの四回に2ランを被弾。六回には右肘の上に打球を受けたが、再びマウンドへ。高津監督も「何よりも体が強い」と目尻を下げるタフネスさで5回1/3を4安打2失点で役目を終えた。

 勝ちたい理由があった。22年9月、第1子が誕生した。ギリギリ出産にも立ち会えたといい、今では「家に帰って子どもが出迎えてくれる時が幸せ」と言う。父になり、ずっとほしかった勝利をつかみ取った表情は少し誇らしげだった。

 何度もお立ち台で言葉にした「貢献」の二文字。まだ今年で33歳。指揮官の節目に好投で花を添え、また進み始めた高梨の時間がある。ここからまた、始まる。