<巨人0-8DeNA>◇8日◇東京ドーム救世主、現る。DeNA吉野光樹(てるき)投手(26)が緊急先発の役割を全うした。直球押しで自身最長の6回を投げて6安打無失点。球数も最多93球で2勝目をマークした。6日に背中の違和感を訴えて先発を回避…

<巨人0-8DeNA>◇8日◇東京ドーム

救世主、現る。DeNA吉野光樹(てるき)投手(26)が緊急先発の役割を全うした。

直球押しで自身最長の6回を投げて6安打無失点。球数も最多93球で2勝目をマークした。6日に背中の違和感を訴えて先発を回避した大貫晋一投手(30)に代わり、急きょ代役を務めた2年目右腕が大仕事。首位巨人に4・5ゲーム差と、踏みとどまった。

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吉野が右拳を握ってほえた。感情が入る。4点の大量援護をもらった直後の1回1死一、二塁。打席に巨人の4番を迎えた。プロ初登板で初黒星を喫した7月13日と、全く同じシチュエーションだ。前回は先制適時打を許してしまった岡本和を、この日はフォークで空振り三振に斬った。続く大城卓もフォークで連続三振に仕留め、感情が爆発。「昨日は負け方も負け方だったので、今日は絶対に負けたくなかった。もう気持ち全開で行きました」と気合が入っていた。

前日7日は7連勝まであとアウト1つの9回2死からミスが絡み追いつかれ、延長12回2死からサヨナラ負け。リリーフ7人を費やし、ブルペンは満身創痍(そうい)だったが「3回でつぶれてもいいと思って、序盤から飛ばしていきました」。球数もイニングも自己最多の6回93球で6安打無失点と仕事を全うした。

緊急先発にも動じなかった。登板2日前の6日、大貫が背中の違和感を訴えて出場選手登録を抹消。先発陣は石田健、平良も負傷離脱中で、9日の2軍戦で登板予定だった吉野に急きょ、1軍先発の機会がまわってきた。「大貫さんもケガをしたくてケガしてるわけではない。チャンスでもありますけど、大貫さんの気持ちも背負って投げようと思いました」と救世主になった。

イニング間には2軍戦の時からバッテリーを組む伊藤に、ピッチングのテンポを「2秒早く」と助言をもらい、リズムに乗った。1軍合流初日の7日には、山崎から緊迫したシーズン終盤のなじみ方を教えてもらった。「アドバイスを先輩方にもらいながらやらせてもらってます」とサポートを受けながらの2勝目。東京ドームのファンへ「チームは誰1人諦めてません。優勝に向けて戦っていきます」と宣言した。再び連勝街道を切り開き、混セの主役に躍り出る。【小早川宗一郎】

▽DeNA三浦監督(吉野について) 真っすぐが良かったですね。押し込んでたと思いますし、フォークも低めに集めて空振りも取れてました。急きょでしたけど、やるべき事をしっかりやってくれました。