パリ・パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで、18歳の小田凱人(ときと)が史上最年少の金メダリストになった。勝利が決まると、小田は車いすの車輪を自ら外し、地面に倒れ込むパフォーマンスを披露した。その狙いとは何だったのか、試合後に尋ね…

 パリ・パラリンピックの車いすテニス男子シングルスで、18歳の小田凱人(ときと)が史上最年少の金メダリストになった。勝利が決まると、小田は車いすの車輪を自ら外し、地面に倒れ込むパフォーマンスを披露した。その狙いとは何だったのか、試合後に尋ねた。

 今大会の会場は4大大会の一つ、全仏オープンの舞台でもあるローランギャロス。全仏のチャンピオンは「赤土の王者」の称号で呼ばれる。歴代の王者たちの多くは、優勝が決まった瞬間、仰向けで大の字に寝転んで、空を眺めながら、歓喜に浸るシーンを見せてきた。

 小田は「本当はダイブしたかったんですけど、(車いすが)倒れなかった。倒れなかったら(車輪を)外すって、ずっと決めていた。やったことなかったんですけど」。そう言って、笑った。

 「ずっと決めていました。(以前に)1度、車いすがクルクル回って倒れたことがあって、これは絶対パリにとっておこうと思って。(昨年の)年末ぐらいにひらめいた」

 初出場で金メダルをつかんだ小田は、パラリンピックイヤーが明ける前から、すでに金メダルを取った瞬間のパフォーマンスまでイメージしていた。(稲垣康介)