全国高校野球選手権大会の出場校に、記念の盾をボランティアで手づくりし、贈り続けている三重県四日市市の松田忠雄さん(91)と吉川進司さん(76)が、今年も49校分を制作した。今夏、初優勝した京都国際高校(京都府)には、ひとまわり大きい盾を9…

 全国高校野球選手権大会の出場校に、記念の盾をボランティアで手づくりし、贈り続けている三重県四日市市の松田忠雄さん(91)と吉川進司さん(76)が、今年も49校分を制作した。今夏、初優勝した京都国際高校(京都府)には、ひとまわり大きい盾を9日に直接届けることにしている。

 出場校名と選手全員の名前などを刻んだ盾は、透明なアクリル製。松田さんが名前やトーナメント表などのデータをつくり、レーザー加工機を備える吉川さんの工房で制作した。

 出場校はA4サイズ、優勝校はA3サイズで、今年は優勝校の選手全員分の名前入り盾(A5サイズ)もつくった。優勝校以外の出場校には郵送する。

 もともとは、家庭用品メーカーの元技術者の松田さんが、圧縮空気で砂を吹き付けてガラスの表面を加工する「サンドブラスト」の技法で2001年に始めた。夏の高校野球選手権、春の選抜高校野球、全国高校ラグビーの各大会の優勝校に贈り続けてきた。サンドブラストを通じて知り合った吉川さんも加わり、優勝校だけでなく出場校の盾も作るようになった。

 曲面状のガラスで盾を作ってきたが、昨年からレーザー加工がしやすいアクリル板に素材を変更した。

 吉川さんは「『記念に残るプレゼントはありがたい』と、大変喜んでもらえる。やりがいを感じる」、松田さんは「体力が続く限り取り組んでいきたい」と話していた。(鈴木裕)