前戦ニュルブルクリンク6時間レースから1ヶ月半の夏休みを挟んで、FIA WEC(FIA世界耐久選手権)第5戦は大西洋を渡ったメキシコで恒例の6時間レースとして幕を開けた。しかし、1週間前にアメリカ・テキサス州を襲った台風“ハーベイ”の影響で…

前戦ニュルブルクリンク6時間レースから1ヶ月半の夏休みを挟んで、FIA WEC(FIA世界耐久選手権)第5戦は大西洋を渡ったメキシコで恒例の6時間レースとして幕を開けた。しかし、1週間前にアメリカ・テキサス州を襲った台風“ハーベイ”の影響でメキシコにも低気圧が居座り、レースの週末を控えて連日の悪天候。公式練習走行初日となった金曜日も、エルマノス・ロドリゲス・サーキットは朝から雨が降り注いだ。

TS050 HYBRID #7号車:(小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペス)
公式練習第1回目: 3番手 (1分28秒029), 35周 

TS050 HYBRID #8号車:(中嶋一貴、セバスチャン・ブエミ、アンソニー・デビッドソン)
公式練習第1回目: 4番手 (1分29秒131), 44周 

午後5時20分から行われた1回目の公式練習走行は、コースが完全に濡れた状態でスタート。雨こそ落ちていなかったものの、2台のTS050 HYBRIDはミシュラン・ウエットタイヤを装着しての走行になった。セッションが進むにつれてコースは乾き始め、使用タイヤもインターミディエイトからドライへと変更になったが、コースが完全に乾いたのは最後の30分だけ。セッティングに費やす時間も限られており、チームは空力デバイスのアジャスト、スリックタイヤの評価に注力した。 

しかし、TS050 HYBRID #7号車、#8号車共に週末に予想される雨天レースに備え、ウェットコンディションでのハイブリッド・エネルギーのリカバリー、ターボのブースト調整など、細かい作業は行えた。ただ、他のレースと違って初日の公式練習走行は1回だけ。それぞれのドライバーも十分に走り込むことが出来たとは言えなかった。 

コースが乾いてからドライ・タイヤでの走行が始まるとラップタイムは急激に短縮されたが、まだTS050 HYBRIDの全性能を引き出すまでには至らず、この日のベストタイムも昨年のポールポジション・タイムから2秒遅かった。明日の土曜日は、2回の公式練習走行が行われ、その後、午後6時20分から公式予選が行われる。 

小林可夢偉 (TS050 HYBRID #7号車): 
変わりゆくコンディションの中での1セッションを終えただけなので、状況を語るのは難しいです。コース上の混雑もあり、我々はまだクリアラップでのアタックは出来ていません。いつもは金曜日に行っている車両バランスに関する作業をこれから進めていき、明日は更なるパフォーマンス向上を目指します。 

マイク・コンウェイ (TS050 HYBRID #7号車): 
ウェットコンディションを含む、この週末に向けてのあらゆるコンディションでの準備が出来ました。時間が限られていたので、まだ改良すべきポイントはあります。まずまずのスタートが切れたと思いますが、まだ幾つかの領域でやるべきことがあり、それによってラップタイムは向上していくはずです。

ホセ・マリア・ロペス (TS050 HYBRID #7号車): 
今日は、この週末予想される天候へ向けて3タイプのタイヤ全てを試すことが出来たので良かったです。我々の走行ペースは悪くないと思いますが、まだレースウィークは始まったばかりですし、ここからどこまで改良出来るかが重要です。 

中嶋一貴 (TS050 HYBRID #8号車): 
コンディションがめまぐるしく変わる中で、全てのタイヤを試すことが出来ました。ドライブの難しい状況で、ドライコンディションでのラップタイムに関してはまだ改良の余地があります。とはいえTS050 HYBRIDの感触は良いので、更なるパフォーマンスを引き出すべく作業を続けます。 

セバスチャン・ブエミ (TS050 HYBRID #8号車): 
ウェットからドライまで全てのコンディションを経験することが出来ました。1セッションしか無い金曜日だったので、いつものように充分なデータを得られていません。これからTS050 HYBRIDを最善の状況にすべく準備をする必要があり、明日は忙しい一日になるでしょう。 

アンソニー・デビッドソン (TS050 HYBRID #8号車): 
ニュルブルクリンクの後の長い休暇を終えて、レースの現場に戻れたことを喜んでいますし、私自身にとっては初めて走るこのサーキットへの準備も出来ました。TS050 HYBRIDの感触は良いですし、良いリズムで走れていると思います。まだまだやるべきことは多いですが、バランスには満足しています。