「ヤクルト1-9阪神」(6日、神宮球場) 集中力を研ぎ澄まし、阪神・近本は白球にバットを合わせた。負けられない一戦で目の前のチャンスは逃せない。勝利への流れを呼び込んだ決勝打。敵地に響き渡る大歓声。ベンチで沸く仲間の姿に一塁ベース上で笑み…

 「ヤクルト1-9阪神」(6日、神宮球場)

 集中力を研ぎ澄まし、阪神・近本は白球にバットを合わせた。負けられない一戦で目の前のチャンスは逃せない。勝利への流れを呼び込んだ決勝打。敵地に響き渡る大歓声。ベンチで沸く仲間の姿に一塁ベース上で笑みがこぼれた。

 「下位からつくったチャンスだったので、何とかしたいと。1巡目、チェンジアップをいいボールを投げていたので、打ててよかった」

 同点に追いつかれた直後の二回だ。2死二塁の好機で打席が巡ってきた。相手先発・サイスニードが投じたカウント1-2からの4球目、低めのチェンジアップに反応。打球は二塁・武岡が伸ばしたグラブの下をすり抜け、右前へ弾む適時打で勝ち越しに成功した。

 前日5日の中日戦(甲子園)では3四球でチャンスメークしたが、無安打となり連続試合安打は17でストップ。ただ、止まっている暇はない。得点圏打率・330を誇る勝負強さを発揮し、すぐさま快音を響かせた。

 この一打でリーグトップタイとなる139安打。また、通算912安打となり、6年目までの通算安打で歴代1位となる長嶋茂雄の926本まで残り14本と迫った。

 シーズンも残り18試合。巨人、広島の上位2チームに懸命に食らいついている。「一戦一戦、しっかり全員で頑張っていきたい」と近本。奇跡の逆転Vへ向けて一戦必勝しかない。