「DeNA4-3広島」(5日、横浜スタジアム) 広島が今季7度目のサヨナラ負けで3連敗を喫し、首位から陥落した。3連敗は7月5~9日に4連敗を喫して以来。同一カード3連敗は今季5度目となった。延長十一回に一時勝ち越すも、その裏に再逆転され…

 「DeNA4-3広島」(5日、横浜スタジアム)

 広島が今季7度目のサヨナラ負けで3連敗を喫し、首位から陥落した。3連敗は7月5~9日に4連敗を喫して以来。同一カード3連敗は今季5度目となった。延長十一回に一時勝ち越すも、その裏に再逆転された。激痛の敗戦を食らうことになったが、新井貴浩監督(47)は気持ちを切り替え、次戦しか見ていないことを強調した。

 指揮官は無理やりにでも前を向いていた。首位固めを目指して乗り込んだ横浜で、まさかの3タテを食らい、2位に転落した。それも逆転サヨナラ負けである。下を向いてしまいがちな状況だが、新井監督は「全然関係ない、関係ない。今日は今日で終わったので、明日のことしか考えてないです」と強調した。

 1点を勝ち越した直後の延長十一回は塹江が先頭・佐野に安打されると、すぐさま松本にスイッチ。右腕は3連投目だったが、指揮官には「ずっと良いボールを投げていたし、迷いはなかった」という。しかし、牧に同点の適時打を許すと、最後は2死満塁から伊藤に押し出しの四球を献上して、試合終了。うなだれる松本に新井監督は「ご苦労さま」と声をかけて、労をねぎらった。

 劣勢に耐えて、跳ね返して、一時は勝ち越していた。2-2で迎えた延長十一回。試合開始から3時間半が過ぎても、真っ赤に左翼スタンドを染め続けた鯉党に熱い景色を見せるべく、2死から上本が右前打で出塁すると、打席には小園を迎えた。佐々木のフォークを捉えた打球は上空に舞い上がり、右翼線に落ちた。一走がヘッドスライディングで一気に生還して一時勝ち越し、劇的勝利への夢を見た。

 この日は2点を先行され、攻撃では前半の5イニングで3度の得点圏を逸する苦しい展開。そんな重いムードを吹き飛ばしたのも小園だった。0-2の七回は2死から秋山が四球で出塁。相手先発・ケイをマウンドから引きずり降ろすと、一、三塁で伊勢から中前への適時打を放ち、1点を返した。今季の横浜スタジアム全11戦で安打を記録した無類の“ハマスタ男”が奏でた反撃の一打。2連敗となった4日の試合後に「下を向く向かないという問題ではないので。勝つことだけ考えてやっていければと思います」と話していた若武者が、チームに刺激を入れた。

 指揮官も一度は勝ち越した展開を「よく追いついたし、みんなよく頑張った。切り替えて明日に臨めばいいと思う」と話した。ただ、広島と歩みを合わせるように連敗していた巨人が、この日は勝利し、2位へ転落。6日からは本拠地に帰り、負け越している中日との3連戦に臨む。正念場を迎えた鯉の底力が試されている。