「阪神2-1中日」(5日、甲子園球場) 頼もしい男だ!阪神・佐藤輝明内野手(25)が二回1死から中前打を放ち、球団史上初となる新人から4年連続100安打&2桁本塁打を達成した。三回には右犠飛で貴重な追加点をマーク。チームは接戦を制し、甲子…

 「阪神2-1中日」(5日、甲子園球場)

 頼もしい男だ!阪神・佐藤輝明内野手(25)が二回1死から中前打を放ち、球団史上初となる新人から4年連続100安打&2桁本塁打を達成した。三回には右犠飛で貴重な追加点をマーク。チームは接戦を制し、甲子園で中日相手に3連勝を飾った。首位に浮上した巨人とは3ゲーム差。残り19試合。虎が息を吹き返した。

 きれいな快音を響かせて、打球は瞬く間に二遊間を破った。佐藤輝が今季の100安打に到達。「周りの方に支えてもらって、とりあえず良かったと思います」。新人から4年連続での2桁本塁打&100安打は岡田彰布を超え、球団史上初の快挙。また球団史に名を残した。

 両軍無得点の二回1死。大野の初球144キロ外角直球を捉えた。チーム初安打となり、右翼席の虎党も大盛り上がり。「しっかり振りにいけたので良かったです」。控えめなカモメポーズだったが、ナインの士気を高めた。

 1点リードの三回1死満塁では打った瞬間、グランドスラムを予感させた。ただ、この日は強烈な浜風。風に押し戻されて、打球は細川のグラブの中へ。最低限の犠飛にはなったが、一塁手前では悔しそうに両手を挙げた。

 試合後にはホームランという言葉を聞いただけで「今、ホームランのこと言わないでください」とシャットアウト。改めて2打席目のことを振られても「今、その話しないでください」と小ボケを挟んで、相当な悔しさを表現した。

 昨季は9月に打率・344、7本塁打、23打点と大暴れ。今季も4試合で打率・308、3打点と結果を残している。好調の要因については「練習ですかね」と分析。確かに、試合前の打撃練習から序盤とは明らかな変化が生まれている。

 毎日のように打者相手に球を投げ、佐藤輝のことは新人時代から見てきた嘉勢打撃投手は言う。「ダメな時は打撃ケージからボールが出ないでしょ。今は打ち損じが少ない。力感なくスイングできている」。6月下旬には岡田監督が野手陣に逆方向へのファウルが多いことを指摘していた。フリー打撃から集中力を高め、ミスを減らしていることが本番の好結果につながっている。

 チームは中日に同一カード3連勝。今季は甲子園で10勝1分けと無傷で終えた。上位2球団は広島が負けて、巨人が勝ったことで首位は交代。巨人を3ゲーム差で追うことになった。「本当に最後までどうなるかわからないですし、目の前の試合を勝って、積み重ねていければなと思います」。奇跡のアレンパへ。佐藤輝が暴れれば、不可能な数字ではない。