前日計量は井上が55.3キロ、ドヘニーが55.1キロで、それぞれ一発クリアした© Lemino/SECOND CAREER  9月3日、東京・有明アリーナでの4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)世界スーパ…

 

前日計量は井上が55.3キロ、ドヘニーが55.1キロで、それぞれ一発クリアした© Lemino/SECOND CAREER

 

 9月3日、東京・有明アリーナでの4団体(WBA、WBC、IBF、WBO)世界スーパー・バンタム級タイトルマッチで、王者・井上尚弥(大橋)と挑戦者テレンス・ジョン・ドヘニー(アイルランド)が拳を交える。

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 バンタム級、そしてスーパー・バンタム級と2階級において、すべての団体のベルトをまとめるなど圧倒的な強さを誇る「モンスター」井上。いまだ無敗を続ける日本人王者に、37歳のベテランサウスポーが挑む。

 元IBF世界スーパー・バンタム級王者の経歴も持つドヘニーだが、今回の対戦に際して、多くのファンや関係者が4団体統一王者として勢いを増す井上の圧勝を信じて疑わない。井上よりも6歳年上という年齢差や王座陥落後での戦績などから、今回のカード決定に“ミスマッチ”との声も上がったほどだ。

 それでも、ドヘニーの勝利の可能性が決してゼロではないことも確かだ。試合が目前となった現在、海外メディアでは今回の大一番で挑戦者の戦い方のポイント、さらにドヘニー本人の意気込みも紹介している。

 米メディア『The Sporting News』では現地時間8月29日、「ドヘニーはどのようにしてイノウエに勝つのか?」と銘打ったトピックを配信。その中では、井上について、「無慈悲なパンチャーとしての評判を持ちながらも、イノウエはスポーツ界で最も技術的に優れたファイターの1人でもある。チャンピオンは優れたハンドスピード、完璧なバランスを持ち、技術的な欠点はほとんど無い」として、チャンピオンのスキルを絶賛している。

 また、ドヘニーが過去に日本人選手からの勝利や日本のリングで好成績を収めている実績があるとしながらも、現在の井上が「ボクサーとしての絶頂にいる」と評すなど、決してアドバンテージにはならないと主張する。

 その上で同メディアは、これまでドヘニーが多くの試合を持ち前の強打で勝利してきたと振り返り、「現実的に言うと、『パンチャーとして勝つ』しかない」と断言。続けて、「ドヘニーはパンチ力がある。26勝のうち20試合でノックアウトを記録しており、最近では日本での試合でも3連続で相手をKOしている」と強調する。

 加えて、「重要なのは、彼がスーパー・バンタム級での本格的なパンチャーであるということだ」として、ドヘニーがプロキャリアの初めから同階級を主戦場としてきたことが、勝利を手繰り寄せる要因となり得ると指摘。トピックではドヘニー自身によるコメントを掲載しており、「(井上が対戦してきた)マーロン・タパレス、ルイス・ネリらの戦績を遡ると、彼らはバンタム級でのキャリアがある。僕はスーパー・バンタム級でキャリアを積んでいるし、体重の割に身体が大きいのは周知の事実だ。その強さをリングでも発揮したい」などと述べたとしている。

 敵地のリングにおいて最強の王者を前に、挑戦者は決して引くことなく打ち合いに挑むようだ。そして、そのベテランの決死のファイトの果てに、今回の一戦はどのような結末を迎えるのだろうか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

 

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