「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(3日、有明アリーナ) ダブル世界戦の前日計量が2日、横浜市内で行われ、4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=は55・3キロ、挑戦者のTJ・ドヘニー(3…

 「ボクシング・4団体統一世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(3日、有明アリーナ)

 ダブル世界戦の前日計量が2日、横浜市内で行われ、4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=は55・3キロ、挑戦者のTJ・ドヘニー(37)=アイルランド=は55・1キロでクリアした。過去、1日で12キロもリカバリーしたことがあるドヘニーに対し、尚弥は「自分相手に10キロ以上戻したらボクシングできないよというのを見せる」と、攻略への自信をのぞかせた。勝てば井岡一翔(志成)を抜いて、日本選手歴代単独1位の世界戦23勝となる。

 計量でバキバキの肉体美を披露した尚弥は、「仕上がりはバッチリ」と断言した。今回がスーパーバンタム級での4戦目となり、「体も仕上げ方もかなりうまく来ている。筋肉量のつくり方だったり、プラスそれに対してスピードも落とさずというところも意識しながら」と、この階級へのフィット感も上々だ。

 尚弥は「数年後にフェザー級を見据えるのであれば、まだまだやらなきゃいけないことはあると思うし、そこに向き合っていかないと成長も見られないと思う。新しいことを取り入れながら進めていかないと、現状維持で止まってしまう」と改めて将来のフェザー級転向に言及。そのうえで「積み重ねた減量方法だったり体の作り方だったりが、フィジカル強化として現れて来ると思う。それが少しずつ蓄積されていって形になればいい」と語った。

 フェイスオフ後、尚弥の肩を軽くたたいたり、頭をなでたりとフレンドリーなドヘニーだが、尚弥は「気合はものすごく感じられたので、気を引き締めて、いつも以上に集中していかないといけない」と決して懐柔されることはない。

 ポイントのひとつは試合当日のアイルランド人のウエートだ。ドヘニーは1日で12キロ以上もリカバリーしたことがあり、この試合も大幅なリカバリーが予想される。4団体中、IBFは当日計量があり、前日から10ポンド(約4・5キロ)以上の増量ができないルールだが、今回は統一戦のため、当日計量は行われない。

 過去最重量の相手と戦うことになりそうだが、「自分を相手に10キロ以上戻したらボクシングはできないよ、というのを見せてあげようと思っている。階級制のあるボクシングは、体重があればいいだけではないと思っている。そういうところも含めて、明日はボクシングを見せていきたい」ときっぱり。自らのボクシングへの絶大な自信を漂わせていた。