卓球Tリーグの静岡ジェードが、7日から富士宮市民体育館で琉球、金沢とのホーム開幕2連戦を迎える。昨季プレーオフ進出まであと一歩だったチームに、今季は彩たまから英田理志が加わった。島田商出身の31歳が静岡での恩返し勝利に意欲を高めた。 静岡…

 卓球Tリーグの静岡ジェードが、7日から富士宮市民体育館で琉球、金沢とのホーム開幕2連戦を迎える。昨季プレーオフ進出まであと一歩だったチームに、今季は彩たまから英田理志が加わった。島田商出身の31歳が静岡での恩返し勝利に意欲を高めた。

 静岡に新加入した攻撃型カットマン・英田は、8月24日の昨季王者・木下マイスター東京との開幕戦(1●3)でチーム唯一の白星を挙げ、頼もしさを見せた。卓球を本格的に始めたのは小学6年時に静岡に来てすぐ。島田商では毎日違う社会人クラブの練習に参加した。「色んな人が見てくれた。皆さんに育ててもらって今がある」と感謝。ホームでのチーム初勝利へ「成長した姿を見せて、恩返ししていきたい」と意気込んだ。

 昨季は10勝12敗で初の2ケタ勝利をマークした。主力にも関わらず4季所属した彩たまから移籍したのは、ハングリー精神を培うためだという。「出た試合全部に勝つ気持ちでいたい。難しいが、(自身初の)勝ち越しはしたい」と、新シーズンの目標を掲げた。

 カットマンとしてのプレーにも変化が生まれた。昨季までは相手のミスを誘う戦型ながらも、比較的早く攻撃に転じていた。「本来はカットだけで勝てるのが理想。自信がないから攻撃していた」。卓球界では少ないタイプだったが「カットを土台にしたオールラウンダー」という新しいスタイルを追求。今オフはカット主戦型で全日本選手権を3度制した高島規郎さん(73)の指導を受けた。新天地での開幕戦は東京の大島祐哉に初勝利。「理想からしたらぜい弱だが前より安定してきた」と手応えを感じていた。

 昨年4月、第1子の長女が生まれた翌日に父・恭司さん(亨年68)が亡くなった。カットの戦型はあこがれの父の影響を受けたもの。「開幕戦に(自身が)勝った後、父が生きていればすごい喜んでくれただろうな」としんみりと振り返った。「さみしい気持ちを力に変えて、天国にいる父にいい報告ができるように強くなりたい」と誓った。

(伊藤 明日香)