広島・大瀬良大地投手(33)が30日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加し、先発する31日・ヤクルト戦(マツダ)に向けて最終調整した。29日の敗戦で首位陥落となったチーム状況を踏まえ、一喜一憂せずに流れを止めることを強調。今季のヤク…

 広島・大瀬良大地投手(33)が30日、マツダスタジアムで行われた投手練習に参加し、先発する31日・ヤクルト戦(マツダ)に向けて最終調整した。29日の敗戦で首位陥落となったチーム状況を踏まえ、一喜一憂せずに流れを止めることを強調。今季のヤクルト戦は3試合に登板して0勝1敗。ツバメ斬りで、チームを再び上昇気流に乗せていく。

 これまでの経験と実績がある。だからこそ、首位の座を明け渡しても浮足立つことはない。台風の影響でヤクルト戦が中止となった金曜日。名古屋遠征に帯同していなかった大瀬良は、マツダスタジアムに隣接する屋内練習場で汗を流した。

 チームは29日の中日戦に敗れ、試合のなかった巨人と入れ替わる形で首位陥落。7月31日以来の2位となり、31日からはヤクルトを本拠地で迎え撃つ。負けられない戦いに身を置く中、エースは泰然自若の考えで挑む。

 「若い子が多いので一喜一憂しがちだと思う。負けて(周囲から)首位陥落と言われると、余計にソワソワしてしまうんじゃないかなと。これは僕だけではなく上の先輩は『そういうもんだ』と思ってやっているだろうし。まず『そういうもの』という空気感と、あとは普段通りに投球や振る舞いをすることで、まだ慌てるところではないんだと感じてくれたら」と、あるべき気持ちの持って行き方を語った。

 近年まれに見る混戦のセ・リーグ。「きのう(29日)の試合が始まるまでは首位だった。ここから巨人が負けて、ウチが勝ったらひっくり返るわけじゃないですか。逆もあるし、そういう部分でウチは優勝に向かって行くんだよと」と強調。頻繁に順位が入れ替わることを意に介さず、目の前の一戦で各自がベストパフォーマンスを発揮する大切さを強調した。

 前回24日・阪神戦は5回2/3を1失点にまとめ、6月22日以来の5勝目をマーク。8日・巨人戦、17日・ヤクルト戦はいずれも負け投手になっており「良くなかった登板は生かさないといけない」という思いで自己分析に時間を割いた。「メカニック的な部分や配球面、いろんなところに目を向けて、洗いざらい“自分というピッチャー”を見つめ直すことができた」とうなずく。

 前半戦は防御率0・82と圧巻の投球を披露して躍動。シーズン佳境でこそ、奮闘が求められる立場であることは自覚している。「ここまで、この成績で来られているので変に変える必要はないかなと。あまりブレずに」。チームは今季、マツダスタジアムのヤクルト戦で7戦7勝。いかなる状況にも動じないエースが流れを引き戻す。

 ◆今季マツダでのヤクルト戦全勝 広島は今季ヤクルト戦11勝5敗。マツダに限れば7戦全勝中となっている。さらに昨季ヤクルト戦は13勝11敗1分けで、マツダでは11勝1敗1分けと相性の良さを誇る。