28日夜に開幕した第17回夏季パラリンピック・パリ大会の開会式は、観光名所のエッフェル塔や凱旋門が見渡せるパリ中心部のコンコルド広場で開かれた。18世紀にルイ16世とマリー・アントワネットが処刑された、フランス革命の舞台だ。幕を開けた12…

 28日夜に開幕した第17回夏季パラリンピック・パリ大会の開会式は、観光名所のエッフェル塔や凱旋門が見渡せるパリ中心部のコンコルド広場で開かれた。18世紀にルイ16世とマリー・アントワネットが処刑された、フランス革命の舞台だ。幕を開けた12日間におよぶ障害者スポーツの祭典で、開会式に込められていたメッセージとは――。

 その場所が開会式に選ばれたことには、誰ひとり取り残さないインクルーシブ(包摂的)な社会の実現に向けて、パラアスリートたちがスポーツで革命を起こすというメッセージが込められている。

 芸術監督は、パリ五輪の開会式と同じトマ・ジョリー氏が務めた。式典のテーマは「逆説」を意味する「パラドックス」。包摂的でありたいと望みながら障害者への偏見をなくせない世界で、変化や違いに不寛容な「ストリクト・ソサエティー」と、障害のあるパフォーマーでつくる開放的で様々な個性を持つ「クリエーティブ・ギャング」という、価値観の異なる集団が調和して共に生きることを見いだす物語を詩的に描いた。