日本パラリンピック委員会（JPC）は23日、パリ・パラリンピック（28日開幕）のアーチェリー日本代表の重定知佳（41）=林テレンプ=が出場を辞退すると発表した。22日に本人から辞退の申し出があり、受理したという。 重定は6日、パラアーチェ…
日本パラリンピック委員会（JPC）は23日、パリ・パラリンピック（28日開幕）のアーチェリー日本代表の重定知佳（41）=林テレンプ=が出場を辞退すると発表した。22日に本人から辞退の申し出があり、受理したという。
重定は6日、パラアーチェリー選手のブログに匿名でコメントを投稿し、名誉を傷つけたとして東京地裁から約124万円の賠償命令を受けた。
判決を不服として20日付で控訴していたが、控訴を取り下げたと23日に代理人弁護士が発表。重定は「私の軽率な投稿により、傷つけてしまったこと、心よりお詫（わ）び申し上げます」などとコメントを出した。
判決が出た後、日本身体障害者アーチェリー連盟は重定のパラリンピック代表選手としての推薦は有効だとした。しかし、JPCは「スポーツの高潔性を脅かす行為に関与してはならない」などとした国際総合大会への選手派遣規程に違反する可能性があると判断。規程に基づき、重定に聞き取りを行うなどして、事実確認や処分の検討を進めていたところ、辞退の申し出があったという。
JPCによると、辞退による代表選手の入れ替えはないという。上山友裕（36）=三菱電機=とペアを組む予定だった混合種目にも出場しないことになった。
選手への誹謗（ひぼう）中傷を巡っては、パリ・オリンピック（五輪）期間中にオンライン上の誹謗中傷の投稿が8500件を超えたと国際オリンピック委員会（IOC）の選手委員会が発表。日本オリンピック委員会（JOC）も「行きすぎた内容に対しては法的措置も検討する」との声明を出すなど問題となっている。
JPCは選手らを対象に年に複数回、誹謗中傷への対策も含めたコンプライアンス研修を実施しているという。（佐藤祐生、藤野隆晃）
