「巨人4-1広島」(21日、東京ドーム) 超満員の東京ドームが巨人・岡本和真内野手の名前を呼んだ。「す、すごいですね」。白熱の首位攻防戦を制した試合後、4番がお立ち台からの景色を眺めて笑う。7年連続の20号本塁打は勝利を決める劇的3ラン。…

 「巨人4-1広島」(21日、東京ドーム)

 超満員の東京ドームが巨人・岡本和真内野手の名前を呼んだ。「す、すごいですね」。白熱の首位攻防戦を制した試合後、4番がお立ち台からの景色を眺めて笑う。7年連続の20号本塁打は勝利を決める劇的3ラン。肩を並べられた阿部監督も「格が違う」と称賛する殊勲打だった。

 八回、岡本和は19歳の背中に刺激を受けて打席に立った。六回の同点機で凡退。七回、浅野が起死回生の同点打を放った。「翔吾に助けられた」と奮い立ち無死二、三塁の好機。8月の得点圏打率・000と苦しんだ主砲が、ハーンの初球153キロを左翼席に運んだ。

 夏休みも終盤。この日は「夢の体験」と題し、キッズが練習をグラウンドで見学した。4番は大人気。「あっち向いてほいで勝ったら、バットをください」とせがまれ勝負。「負けんやろと思ったら、ジャンケンで勝てなかった」と連敗で、バットと革手袋を2人にプレゼント。「運を残しといた」と豪快に笑った。

 カード3連敗なら広島にマジックが点灯する首位攻防戦。終盤の逆転劇で阻止し、再び1ゲーム差に迫った。「野球って不思議で4番が打てば勝つ。なぜかいい場面で回ってくる」と指揮官。歴史的混戦の命運を、岡本和のバットが握っている。