海外、地方の名手と、JRAのトップジョッキー14人が腕を競う「2024ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が24、25日に札幌競馬場で行われる。地方代表は、同通算3489勝を誇る吉村智洋騎手(39)=兵庫=。長男の吉村誠之助(1…

 海外、地方の名手と、JRAのトップジョッキー14人が腕を競う「2024ワールドオールスタージョッキーズ(WASJ)」が24、25日に札幌競馬場で行われる。地方代表は、同通算3489勝を誇る吉村智洋騎手(39)=兵庫=。長男の吉村誠之助(18)=栗東・清水久厩舎=がJRA騎手としてデビューした今年、19年に続く2度目の参戦へ「前回以上の結果を」と意気込む。

 昨年は335勝を挙げ、3度目の全国リーディング。勝利を量産する兵庫のエースが、2度目のWASJで円熟した手綱さばきを見せる。前回出場した19年は7位。その時よりも経験を積んだだけに、より高みを目指しての挑戦となる。吉村智は「前回以上を目指したい。もちろん(世界の名手との競演を)楽しみにしているし、それで結果を出せれば」と意気込んでいる。

 その手腕を遺憾なく発揮したのは、5月の地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ。これまで2ステージ制で行われていたが、今年は園田で行われた1ステージでわずか2戦の短期決戦。「自分の庭で負けるわけにはいかない」と気合を入れて臨んだ。第1戦は8着と出遅れたが、2戦目を1番人気の馬で堂々と勝った。森泰斗(船橋)と同ポイントで並んだが、第2戦で上位着順の騎手が上位とするという規定により優勝。2度目の晴れ舞台に立つことになった。

 ペース判断が巧みでしっかり追える騎手として関係者、ファンから抜群の信頼を得ている。今年、1番人気で出走した時の勝率は44・7%。JRAリーディング首位のルメールと2位の川田はともに42・5%で、中央勢のトップジョッキーを上回る数字だ。そんな名手の技術が、世界の名手を相手にどこまで通用するのか。昨年7月16日の福島1レース、JRA58戦目の騎乗で待望の初勝利。JRAで戦う難しさは誰よりも知っている。「出走頭数が多く、(園田、姫路と比べて)直線も長い。さばきにくいのでそのあたりがポイントになりそう」と思いをはせる。

 兵庫県競馬では6年連続でリーディングに輝いた。今年も179勝を挙げ兵庫リーディングを独走しており、全国でも3位。4度目の最多勝を狙える位置につけており、地方を代表する騎手の地位を着実に固めつつある。それでも「まだまだです」と謙虚な気持ちを忘れることなく一鞍、一鞍を大事に騎乗している。晴れ舞台でどのような手綱さばきを見せるのか注目だ。(蔵田 成樹)

 ◆吉村 智洋(よしむら・ともひろ)1984年12月26日大阪府生まれ。園田・飯田良弘厩舎所属の39歳。2002年4月17日にデビュー。5月8日に初勝利を挙げる。重賞初制覇は05年8月の東海クイーンカップ。昨年3度目の地方競馬全国リーディング騎手に輝くとともに6年連続の兵庫リーディング騎手となる。地方通算成績は2万217回騎乗3489勝。JRA成績は92戦2勝。157センチ。