(第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 第12日〈19日〉の見どころ。丸数字は試合順) (1)関東第一(東東京)―東海大相模(神奈川) 東海大相模は2試合連続で12安打と打線が好調で、特に3番中村は計9打数6安打4打点と振れている。全…

 (第106回全国高校野球選手権大会準々決勝 第12日〈19日〉の見どころ。丸数字は試合順)

 (1)関東第一(東東京)―東海大相模(神奈川)

 東海大相模は2試合連続で12安打と打線が好調で、特に3番中村は計9打数6安打4打点と振れている。全2試合で先発した身長198センチ左腕・藤田は直球とカーブの組み立てが良く、計13回を投げて1失点。投打で隙がない。

 関東第一は内野の守りが堅い。明徳義塾(高知)との3回戦では好守を連発し、投手陣をもり立てた。左腕畠中、右腕坂井らの継投で勢いを与えず、終盤勝負に持ち込みたい。

 両校は2015年の全国選手権準決勝で対戦しており、東海大相模は吉田(ロッテ)、小笠原(中日)が継投し、オコエ(巨人)を擁する関東第一打線を抑えて10―3で勝利。その後、頂点に立った。

 (2)青森山田―滋賀学園

 今春の選抜大会に続き2季連続8強入りした青森山田が有利とみる。

 石橋(栃木)との3回戦は4番原田の2ランなど長打でペースを握り、3投手の継投で無失点に封じた。最速152キロ右腕のエース関を温存できたのも大きい。2試合無失策と守備も安定している。

 対する滋賀学園は3試合連続で2桁安打を記録。最速150キロの本格派も軟投派も攻略し、対応力の高さを見せた。霞ケ浦(茨城)との3回戦で4安打2打点だった4番岡田を軸に、打ち合いに持ち込みたい。滋賀大会では5試合で2失策だったが、甲子園では3試合で5失策。本来は多胡と岩井の二遊間を中心とした堅守が持ち味だ。守りで落ち着きを取り戻せるか。

 (3)京都国際―智弁学園(奈良)

 2021年の選手権の準決勝と同じ顔合わせとなった。

 京都国際は、その試合で1―3で敗れた雪辱を狙う。3回戦は相手先発の低めの変化球を見切り、五回までに10安打を浴びせ降板に追い込んだ。智弁学園の先発が予想される左腕田近はチェンジアップの精度が高いだけに、この試合でも変化球の見極めが大事だ。

 智弁学園は右打者が鍵を握る。京都国際の中崎、西村の両左腕はともにスライダーが切れる。左打者はこの変化球が逃げていく軌道になり、攻略が難しい。今大会打率5割以上と当たっている佐坂、山崎を中心に、計3試合で342球を投じている田近を早めに援護したい。

 (4)大社(島根)―神村学園(鹿児島)

 大社が打線好調の神村学園をどう抑えるかがポイントになる。

 大社は左腕エースの馬庭が3試合で計30回、401球を投げてきた。島根大会では2試合ずつの登板がある岸、山本など、他の投手が馬庭を助けられるか。2、3回戦で延長タイブレークを制した粘り強さが光るだけに、接戦に持ち込みたい。

 3試合で計31安打の神村学園は下位打線の打球も鋭く、どこからでもチャンスが作れるのが強みだ。1、2回戦で無安打だった4番正林にも3回戦でようやく初安打が出た。投手は1、2回戦で左腕エースの今村が完投し、3回戦は2年生右腕の早瀬が投げきった。2投手とも完投能力があり、どちらを先発させるか。