第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場している神村学園は大会第11日の17日、岡山学芸館を7―1で破り、2年連続のベスト8進出を決めた。今大会初登板の右腕、早瀬朔投手(2年)が完投した。県勢では1999…

 第106回全国高校野球選手権大会(朝日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場している神村学園は大会第11日の17日、岡山学芸館を7―1で破り、2年連続のベスト8進出を決めた。今大会初登板の右腕、早瀬朔投手(2年)が完投した。県勢では1999~2000年の樟南以来の2年連続8強入り。19日の準々決勝では第4試合で大社(島根)と対戦する。

 四回表1死、1―1で迎えた神村学園の攻撃。投ゴロに倒れた4番正林輝大選手(3年)に続いて打席に立った5番岩下吏玖選手(3年)は、初球をたたいて二塁への内野安打。勝ち越しにつながる連打の口火を切った。

 鹿児島大会の打率はチームトップの5割8分8厘。昨夏の鹿児島大会決勝でサヨナラ本塁打を放つなど、勝負強さが光る好打者だ。18歳以下の日本代表候補に選ばれた注目の強打者、正林選手との4・5番コンビは相手投手の脅威の的。甲子園では昨夏、今春に続いてコンビを組む。

 「後ろに岩下がいるので思い切りバットを振れる」と正林選手は信頼を置く。岩下選手も「正林が警戒される分、自分へのマークが甘くなる」と相乗効果を口にする。

 実際、今年の鹿児島大会で2人が同じイニングに打席に立った16回のうち、ともに凡退したのはわずか1回。正林選手が厳しく攻められても岩下選手がつなぐ。それが打線の強さを支えている。

 五回には制球がいい相手投手から四球を選び、無死満塁と好機を広げた。「自分の後ろにも上川床や木下夢というポイントゲッターがいる。正林か自分が出れば得点につながると思って打席に入っています」

 九回2死からの打席でも四球を選び、三者凡退を阻止した。最後まで相手に流れを渡さない。そんな役割も果たした。

 正林選手はこの日、今大会3試合目で待望の初安打を放った。コンビを組む4番の調子はどうしても気にかかる。「本人はヒットが欲しかったと思います。(我が子を思う)親のような気持ちですかね、ちょっとうれしかったです」(宮田富士男)