石橋の入江祥太が甲子園で合計242球の熱投 あえて選んだ“いばらの道”だった。第106回全国高校野球選手権大会は16日に大会第10日が行われ、第3試合で石橋(栃木)は青森山田に0-5で敗れた。試合後、入江祥太投手(3年)は「石橋高校で野球が…
石橋の入江祥太が甲子園で合計242球の熱投
あえて選んだ“いばらの道”だった。第106回全国高校野球選手権大会は16日に大会第10日が行われ、第3試合で石橋(栃木)は青森山田に0-5で敗れた。試合後、入江祥太投手(3年)は「石橋高校で野球ができて幸せでした。最高の仲間だと思います」と感謝を口にした。
夏の主役の一人となった。栃木大会から背番号6を背負い、4番で遊撃手、さらにマウンドにも上がり獅子奮迅の活躍を見せた。聖和学園(宮城)戦では135球完封勝利、青森山田戦では107球の熱投で甲子園を大いに沸かせた。
そんな入江が石橋に進学したのには訳があった。中学時代は強豪の宇都宮ボーイズに所属。同級生には、昨夏の甲子園を制した慶応の小宅雅己投手や加藤右悟捕手らがいた。さらに、作新学院中出身だったため、そのまま作新学院高へ入学する道もあった。それでも、「面白くない」と自分の手で作新を倒すことを誓い、あえて挑戦する道を選んだ。
偏差値は66で、県内でも有数の進学校の石橋は、平日の練習時間は約2時間。正直、練習時間について物足りなさを感じることもあった。それでも「いかに効率よくできるか、“密の濃さ”に頭を切り替えてみんなでやってきました」と振り返る。栃木大会の準決勝では作新学院に勝利し、有言実行で自分の選択は正解だったと証明した。
今後は、中学時代の仲間も進むであろう慶大を受験すると明言。「慶応大学で野球をやって、プロ野球選手を目指します」と未来を鮮明に描いている。さらには「もし(プロ野球選手が)無理だったら社長になりたいです」と大きな野望も語った。
あえて厳しい道を選び、やりぬいた2年半の高校生活。入江祥太はこれからも挑み続ける。(木村竜也 / Tatsuya Kimura)