第106回全国高校野球選手権大会の東東京代表・関東第一は16日、明徳義塾(高知)と3回戦を戦う。対戦を前に関東第一の米沢貴光監督(48)と明徳義塾の馬淵史郎監督(68)、それぞれに相手校の印象などを聞いた。紙上対談の形で紹介する。(佐野楓…

 第106回全国高校野球選手権大会の東東京代表・関東第一は16日、明徳義塾(高知)と3回戦を戦う。対戦を前に関東第一の米沢貴光監督(48)と明徳義塾の馬淵史郎監督(68)、それぞれに相手校の印象などを聞いた。紙上対談の形で紹介する。(佐野楓、蜷川大介)

 ――初戦を振り返っての手応えや課題、反省点は。

 米沢監督 相手も強かったですし、正直、うちとしては助けられた部分も多くあったんですけど、勝ったことで100点だと思っている。ただ打撃や投球での個々の課題は、それぞれに伝えている。

 馬淵監督 初戦は一つだけ大きなミスがあった。池崎が一塁ランナーで右中間に抜けた時、ホームにかえってこないといけなかった。打球は見失ったみたいで、あれは完全にホームにかえれる当たり。上に行けば行くほど、一つのミスが命取りになるからね。

 ――相手校の印象は。

 米沢 いやあ、もう手堅いですよね。違う代ですけど甲子園で2回やらせてもらっている。僕も数多く馬淵さんの野球を見ている。1点の重みをすごく大切にしている監督さんで、高校野球の見本です。守備は手堅いですし、勝っていれば1アウト一塁でもしっかりと送ってくる。その中で今回は振れる子がいる印象。そこはひとつ、気をつけなければいけない。

 馬淵 さすが東京の代表で、洗練されたいいチーム。投げても打ってもセンスがあり、かっこいい。右投手のスタミナがどうなのか。地方大会、甲子園の戦い方をみても、おそらく左投手から右投手につないでくるでしょう。4番の子が注目されがちだけど、3番の左打者(の坂本君)が一番いい気がする。

 ――警戒する選手は。

 米沢 1番の松井君の単打、4番の竹下君を気をつけたい。2番の山畑君もしぶとい。明徳さんはしぶとさがやっぱり鍛えられている。

 馬淵 1、2番の左打者が出たら、かき回してくるぞっていう雰囲気はある。案外盗塁していないけどね。

 ――自チームの持ち味や鍵になる選手は

 米沢 うちはもう1、2、3、4、5番までのところで点を取れるか。1、2番の出塁率がどれくらい上げられるかだと思います。(神宮球場の)人工芝ってヒット出やすいので。やっぱり、そこは差し引きしないといけないんじゃないかと思う。

 馬淵 (初戦で無安打だった4番打者の)竹下。竹下が打ったら勝ちます。当たったら大きい。

 (投手陣の)立ち上がりは毎試合、不安です。甲子園では2試合続けていいピッチングはできないというジンクスがある。(明徳義塾も関東第一も初戦で)お互い、いいピッチングをしているから、そこら辺がどうなるか、試合に入ってみないと分からない。中3日空いたので、お互いの投手が疲労は取れているんじゃないかと思う。

 ――理想の試合展開は。

 米沢 (初戦の北陸戦に続き)また守備同士のチームなので、2点、3点、最少失点同士の戦いになるのかな。(明徳義塾の)上位は力もあるので。やっぱり1イニングでの大量失点を防がないといけない。うちがリードして守りきるような展開にしたい。

 馬淵 先取点で勢いをつけたら大きい。逆に前半にビッグイニングをとられたら、追いかけるのは低反発バットだからしんどい。

 ――意気込みを。

 米沢 普段から、関係者や学校の先生方に本当に応援していただいているなかで、久々の選抜で甲子園に行きましたが、勝てなかった。やっぱり勝ってあそこで校歌を歌うことが、(応援してくれた方々への)恩返しだと強く思うところ。またここから同じ思いの中で、ひとつひとつ勝ちたいです。

 馬淵 トーナメントですから、一戦一戦力を出し切ります。負けたら終わりなんだから。とにかく攻める野球を貫きたい。うちはもう攻撃的に行きますよ。久々の甲子園だから、思い切ってやります。