<全国高校野球選手権:早実1-0鶴岡東>◇15日◇2回戦早実(西東京)が延長10回、タイブレークで鶴岡東(山形)にサヨナラ勝ち。9年ぶりの16強入りを決めた。0-0でタイブレークへ。10回表を無失点で切り抜けるとその裏、1死満塁から7番中村…

<全国高校野球選手権:早実1-0鶴岡東>◇15日◇2回戦

早実(西東京)が延長10回、タイブレークで鶴岡東(山形)にサヨナラ勝ち。9年ぶりの16強入りを決めた。

0-0でタイブレークへ。10回表を無失点で切り抜けるとその裏、1死満塁から7番中村心大投手(2年)が自らサヨナラ打を放った。

早実は2年生左腕の中村心大が好投。鶴岡東の3年生左腕・桜井椿稀に投げ勝った。5回まで無安打の快投。10回144球を投げ4安打完封した。10回を投げ終えると足がつるほどの熱投だった。

早実の左腕投手の完封は1957年(昭32)夏の王貞治(2年=11回無安打無得点)以来67年ぶり。

鶴岡東は桜井が好投も5年ぶりの16強を逃した。

▽早実の2年生左腕、中村心大投手が延長10回を完封し、自らのサヨナラ安打で勝負を決めた。

早実の完封投手は春夏を通じ10年夏の鈴木健介(対倉敷商)以来だが、06年斎藤佑樹(2度)や80~82年荒木大輔(6度)ら、このところ右投げが続いた。早実の左腕では、57年夏の王貞治が寝屋川戦で春夏を通じ史上唯一の延長戦ノーヒットノーラン(延長11回)を達成して以来、67年ぶり。王も2年生だった。

夏の完封&サヨナラ打は94年穐谷正人(中越3年)が浦和学院戦で記録して以来、30年ぶり2人目。延長戦や2年生以下では初の快挙だ。夏の下級生による延長戦完封は03年ダルビッシュ有(東北2年)が平安戦(11回)で記録して以来。早実が夏にサヨナラ勝ちしたのは、32年の和歌山中戦(スコア1-0)以来92年ぶりになる。【織田健途】

○…一塁側アルプス席では早実の生徒、卒業生、ファンら約2800人の大応援団が熱い視線を送った。吹奏楽部は大会出場のため不参加で、卒業生が演奏を行った。80年夏の甲子園準Vメンバーで、ヤクルトなどで活躍した荒木大輔氏(60)の女房役だった城西国際大・佐藤孝治監督(62)の長女亜唯さん(25)も輪に加わった。「来られない現役生と、応援に来られなかった誕生日の父の分も届けたい」とエールを送った。