サッカーJ1のサガン鳥栖は低迷が続く中、元選手の木谷公亮(こうすけ)氏(45)を監督に迎え、J1残留をめざすことになった。20チーム中19位とJ2降格圏(18位以下)から抜け出せないチームは8日付で、2022年から指揮を執った川井健太監督…

 サッカーJ1のサガン鳥栖は低迷が続く中、元選手の木谷公亮(こうすけ)氏(45)を監督に迎え、J1残留をめざすことになった。20チーム中19位とJ2降格圏(18位以下)から抜け出せないチームは8日付で、2022年から指揮を執った川井健太監督(43)との契約を解除、7月にJ2仙台のユース監督からテクニカルダイレクターとして鳥栖に復帰していた木谷新監督に残り10試合余りの命運を託した。

 木谷監督は選手時代、ディフェンダーで活躍した。J2の大宮と仙台を経て、鳥栖には10年から4シーズン在籍、守備の要として11年のJ1初昇格決定に貢献した。しかし、J1初年度となった翌年の開幕直前に右ひざ前十字靱帯(じんたい)を損傷する大けが。懸命のリハビリで秋に復帰し、34歳になった10月にJ1初出場を果たした苦労人でもある。

 選手引退後、18年まで鳥栖のコーチを務めたが、翌年から家族を残して仙台へ。「クラブ、まち自体、スタジアムにも思い入れがある」と6年ぶりに鳥栖へ戻った。

 初采配となった11日の浦和戦は、「市制施行70周年記念鳥栖市民DAY」でもあり、今季ホーム最多の1万4972人の観客が応援した。先手を許す苦しい展開だったが、何とか引き分けに。同点のPKを決めたFWマルセロヒアン選手(22)は「この状況から抜けるには勝ち点を積み重ねていくことしか方法はない。勝ち点1でも十分価値はあった」と言った。木谷監督は「サポーターの力を借りたのは大きかった。勝てなかったが、最低限のことはできた。今後に希望が持てる内容だった」と振り返った。

 監督と同じ右ひざの大けがから復帰したMF楢原慶輝選手(20)を今季初先発で起用した。木谷監督は「年齢とか実績ではなく、今、ピッチ上でどれだけパワーを出してやれるか。それが試合に出る基準」と起用法を語った。鳥栖は12年のJ1昇格後、一度も降格していない。危機的な状況に変わりないが、「あきらめないところだったり、走るところだったり。大きなクラブではないので、まずは体を動かすというか、見ている人が何か感じるようなチームにしたい」と残留を誓った。(森田博志)

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試合日程(Hはホーム、Aはアウェー戦)

8月16日(金) 第27節 札幌(A)

8月21日(水) 天皇杯 山口(A)

8月25日(日) 第28節 神戸(A)

8月31日(土) 第29節 湘南(H)

9月13日(金) 第30節 川崎(A)

9月22日(日) 第31節 東京V(A)

9月28日(土) 第32節 福岡(H)