2022年の陸上、U20世界選手権女子1500メートルで6位入賞を果たした沢田結弥(18)=浜松市立高出=が15日、進学先となる米ルイジアナ州立大の入学に向けて出発する。「不安よりワクワクが大きい」というヒロイン。陸上だけでなくさまざまな…

 2022年の陸上、U20世界選手権女子1500メートルで6位入賞を果たした沢田結弥(18)=浜松市立高出=が15日、進学先となる米ルイジアナ州立大の入学に向けて出発する。「不安よりワクワクが大きい」というヒロイン。陸上だけでなくさまざまなことに挑戦したいと語る日本陸上界期待の18歳が渡米直前に今の思いを語った。

(取材・構成=塩沢 武士)

 渡米の準備は整った。髪をちょっぴり茶色に染めて女子大生らしくなった沢田が、ルイジアナ州立大の入学に向けて日本をたつ。女子1500メートルのU20日本歴代2位の記録を持つヒロインは、最近まで母校・浜松市立高の練習に参加した。「黒髪だと高校生に間違われるので、少し染めました」。照れながらも、新しいライフを楽しみにしている。

 「不安よりもワクワクの方が大きいです。でも、日本食は恋しくなると思う。大学では栄養学の勉強をする予定。向こうの大学は途中で興味があるものが見つかったら、学部を変える学生が多いと聞いてます。私も、陸上だけでなく色々なことに興味を持って吸収していきたい」

 周囲とは違う道を選んだ。同級生が日本の大学に進学する中、沢田は視線を米国に向けた。渡米前、現在の思いを漢字一文字に表してほしいと依頼すると、かなり考え込んだ末、自分の名前「結弥」から一文字取って「結」としたためた。

 「先生(同高陸上部の杉井将彦監督)やチームメートなど、これまでの18年間、色々な人たちと、いい縁で“結”ばれてきた。米国には色々な国の人がいるので、多くの人といい関係で“結”ばれればいいです」

 3月に卒業して約5か月。「静岡陸協」所属でいくつかの国内レースに参戦した。これまであったチームメートの声援や、サポートしてくれる仲間がいない寂しさも味わった。渡米前、最後となった7月27日のレースでは4分15秒72で走破。高2冬からタイムが伸びないなか、自身ベスト3のタイムで国内では最速だった。

 将来の目標は、大きく2028年のロス五輪出場だ。

 「まだそんな実力はないし、大きいことは言えないけど、出てみたい。友人たちも出たら、応援に行くと言ってくれてます」

 4年後。順調なら大学卒業になるころに開催される世界的祭典に出ることが究極の目標。異国の地で飛躍を目指すヒロインが、夢の実現に向けて飛び立つ。

 ◆沢田 結弥(さわだ・ゆや)2006年3月1日、浜松市生まれ。18歳。小学校の頃にミニバスを始めた。細江中時代はバスケットボール部所属ながら陸上の大会にも出場し、本格的に競技を始めたのは浜松市立高に入学後。高2の時、U20世界選手権に出場し、1500メートルでU20日本歴代2位の4分12秒87をマークして6位入賞。160センチ。家族は両親と妹2人。