「全国高校野球選手権・2回戦、小松大谷3-0大阪桐蔭」(14日、甲子園球場) 小松大谷(石川)の西川大智投手(3年)がマダックス(球数100球未満で完封)で大阪桐蔭に勝利。 校歌を歌ってグラウンドを後にしても、小松大谷(石川)の西川は現実…

 「全国高校野球選手権・2回戦、小松大谷3-0大阪桐蔭」(14日、甲子園球場)

 小松大谷(石川)の西川大智投手(3年)がマダックス(球数100球未満で完封)で大阪桐蔭に勝利。

 校歌を歌ってグラウンドを後にしても、小松大谷(石川)の西川は現実を受け入れられなかった。無名の右腕が全国屈指の大阪桐蔭打線を手玉に取って聖地を魅了した。

 「実感が湧かないですけど。やってしまったんだなと」。奪った三振はわずか1つ。序盤はピンチを招いたものの、味方の好守にも助けられて必死に0を並べた。得意のチェンジアップを巧みに交えながら四回は6球、七回は8球、九回は4球と軽快に相手打線を料理。球数92球のマダックスを果たし、春夏通じて初の16強入りに導いた。

 「高校野球といえば大阪桐蔭さん」と段違いに格上の相手だったが、吹奏楽の爆音にもひるまなかった。「好きな曲ばっかり演奏してくれる。すげえ、と楽しんで投げた」とケロリ。今春センバツから導入された新基準の低反発バットも追い風に捉え、「飛ばないバットでよかった」と無邪気に笑った。

 「石川県民、小松市のみなさんにもっと元気を与えられるように」。地元の石川県で発生した能登半島地震の被災地に届けた大金星。快進撃を続け、復興の光となる。

 ◆西川 大智(にしかわ・だいち)2006年8月16日生まれ、17歳。石川県小松市出身。180センチ、68キロ。右投げ左打ち。投手。小学2年時から安宅少年野球クラブで野球を始め、安宅中では軟式野球部に所属。小松大谷では1年秋に背番号「11」で初めてベンチ入り。最速138キロ。持ち球はスライダー、チェンジアップ。