「全国高校野球選手権・2回戦、小松大谷3-0大阪桐蔭」(14日、甲子園球場) 2回戦4試合が行われ、大阪桐蔭が小松大谷(石川)に夏の甲子園50試合目で初となる完封負けを喫した。打線は西川大智投手(3年)にマダックス(球数100球未満で完封…

 「全国高校野球選手権・2回戦、小松大谷3-0大阪桐蔭」(14日、甲子園球場)

 2回戦4試合が行われ、大阪桐蔭が小松大谷(石川)に夏の甲子園50試合目で初となる完封負けを喫した。打線は西川大智投手(3年)にマダックス(球数100球未満で完封)を許し、投手陣は150キロ超え右腕2人をつなぐも計3失点。夏に大阪勢が石川勢に敗れるのも初となった。今春センバツVの健大高崎(群馬)も2回戦で敗れるなど甲子園100周年の節目の大会で波乱が相次いでいる。

 イニングを重ねるたびに西谷浩一監督(54)から焦りの色がにじみ出た。曇った表情でグラウンドをじっと見つめる。敗戦後、黄色いタオルで汗を何度も拭いながら淡々と言葉を紡いだ。

 「しぶとく力強くをモットーにやってきたんですけど、最後力及ばず残念というか無念です」

 序盤から得点の気配は漂っていた。五回まで3度も得点圏に走者を置いて再三の好機を演出。しかし、三回2死三塁で徳丸快晴外野手(3年)のライナー性の当たりが右飛となるなど、ことごとく捉えた当たりは野手の正面を突いた。外野フライでの凡退は「9」にも上った。

 「狙い球を絞りながらやっていたんですけど、しっかり抑えられた」と指揮官。七回に2点先制を許してから打撃陣の焦りは加速。七、八回はあっけなく三者凡退。九回も1死から安打で走者を出したが、最後は遊ゴロ併殺で終戦した。わずか92球で封じ込まれ、夏は初で春夏通算3度目の完封負け。甲子園のマダックスでの敗戦は同校史上初の屈辱となった。

 新チームからの課題は最後まで改善できなかった。七回の先制点は1死一、二塁で併殺を狙った際の送球ミスから生まれた。今春センバツの準々決勝・報徳学園戦でも2失策を犯して敗戦するなど、ここまで守備力改善に取り組んできたものの実らなかった。「指導者としての力不足を感じます」と甲子園監督歴代最多70勝の記録を持つ名将は肩を落とし、敗北の責任を背負った。

 今大会では今春センバツ準Vの報徳学園が初戦で敗退。春王者の健大高崎もこの日2回戦で姿を消した。優勝候補敗退の相次ぐ波乱に“西の横綱”も巻き込まれた。

 高校通算38本塁打の徳丸や最速154キロ右腕の平嶋桂知投手(3年)らタレントぞろいのチームだったが、2018年以来6年ぶりの頂点には届かなかった。「新チームで鍛え直したい」と西谷監督。甲子園の雄の真価が問われる1年が始まる。