(14日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 西日本短大付13―0菰野) 先発投手をかえると知って、栗本賢佑(けんすけ)捕手(2年)は気を引き締めた。 2回戦の先発をエース栄田人逢(とあ)選手(2年)でなく、森柊真(しゅうま)選手(2…
(14日、第106回全国高校野球選手権大会2回戦 西日本短大付13―0菰野)
先発投手をかえると知って、栗本賢佑(けんすけ)捕手(2年)は気を引き締めた。
2回戦の先発をエース栄田人逢(とあ)選手(2年)でなく、森柊真(しゅうま)選手(2年)でいくと監督から聞かされたのは前日の練習の時。「栄田ばかりに負担をかけられない。それに、森の変則的な投げ方は相手の左打線に有効だ」
ところが、試合が始まると、栗本捕手は、森選手に普段の制球力がないことに気づいた。三回途中まで4四死球。「ストライクをとろうと直球ばかりを要求し、甘く入ったところを打たれた。弱気すぎた」と栗本捕手は自分を責めた。終盤で救援した栄田投手も、流れを戻せずに敗れた。
今年2月、正捕手の故障もあり、内野手から捕手に転向。栗本捕手は、そのスローイングの強さと正確さを見込まれた。
栄田投手とも直ちにバッテリーを組んだ。捕球やリードは次第に上達。栄田投手も130キロほどだった速球が、体作りが実って最速141キロに。今春の県大会で公式戦を初完封し、バッテリーの完成形が見えた。
たどり着いた甲子園。9日の南陽工との初戦では、栗本捕手が素早い送球で盗塁を4度阻止。この日も3度、相手の二盗を阻んだ。「栗本に任せておけば何とかなる」と栄田投手は常に信頼を寄せてきた。
そんな2人が心に留めてきた試合は、春の東海大会決勝。中京大中京(愛知)に3―4で負けた。「借りは甲子園で返す」と誓い合ったが、再戦は果たせず夏が終わった。
「甲子園で、みんなが成長したことを感じている」と栗本捕手。まだチームは発展途上で、主力の多くは2年生だ。来年、この仲間と再訪することを「聖地」に誓った。(本井宏人)