<全国高校野球選手権:小松大谷3-0大阪桐蔭>◇14日◇2回戦小松大谷(石川)が、言わずと知れた強豪・大阪桐蔭に完封勝ち。甲子園初勝利を果たした初戦に続いて、歴史的勝利を挙げた。エース右腕の西川大智投手(3年)が、92球で5安打完封。大阪桐…

<全国高校野球選手権:小松大谷3-0大阪桐蔭>◇14日◇2回戦

小松大谷(石川)が、言わずと知れた強豪・大阪桐蔭に完封勝ち。甲子園初勝利を果たした初戦に続いて、歴史的勝利を挙げた。

エース右腕の西川大智投手(3年)が、92球で5安打完封。大阪桐蔭打線を相手にマダックス(100球未満の完封勝利)を達成した。夏の甲子園では12日に明徳義塾の池崎安侍朗投手(2年)が、19年の星稜(石川)奥川恭伸(現ヤクルト)が達成して以来5年ぶりに達成したばかり。歴史に名を刻んだ。西川は「やってしまったんだなっていう気持ちが強いです」と実感が湧かない様子だった。

安定した投球だった。三振はわずか1つ。「(自分は)三振が取れないピッチャー。自分ができることは打たせてチームにリズムをつくること」。散発5安打を許しながら、しっかり後続を絶った。9回裏1死一塁、最後は遊ゴロ併殺に仕留めた。「(ゲッツーを)取った瞬間は球場の歓声がすごくて、鳥肌がすごかった。気持ちいいなと思いました」。甲子園がチームを祝福した。

次戦は智弁学園(奈良)と対戦する。「1勝を積み重ねて歴史を塗り替えていきたいです」。目標の甲子園優勝まで、あと4勝。小松大谷の球史を彩る夏にする。【浜本神威】

◆マダックス 小松大谷・西川が92球で完封。100球未満で完封する「マダックス」は、12日に池崎安侍朗投手(明徳義塾)が鳥取城北を95球、スコア7-0で完封したばかり。

◆マダックスとは 100球未満での完封を意味する造語。大リーグのブレーブスなどで通算355勝を挙げ、殿堂入りしたグレグ・マダックスは、通算35完封のうち13度を100球未満で達成。抜群の制球力で「精密機械」と呼ばれた。夏の石川県勢では19年奥川恭伸(星稜)が旭川大高を94球、スコア1-0で完封したのに次いで2人目。同県の春では94年中野真博(金沢)が江の川戦で99球での完全試合を達成している。

◆石川対大阪 石川県勢は大阪府勢に夏の大会で5戦5敗だったが、6度目の対戦で初勝利。春は石川の2勝4敗。