<ブルワーズ2-5ドジャース>◇12日(日本時間13日)◇アメリカンファミリーフィールド【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】新オーダーが威力を発揮した。ドジャース大谷翔平投手(30)がブルワーズ戦に「1…

<ブルワーズ2-5ドジャース>◇12日(日本時間13日)◇アメリカンファミリーフィールド

【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)12日(日本時間13日)=斎藤庸裕】新オーダーが威力を発揮した。

ドジャース大谷翔平投手(30)がブルワーズ戦に「1番DH」で出場し、「2番右翼」でムーキー・ベッツ外野手(31)が左手の骨折から復帰。大谷が36号、ベッツが11号をマークし、さらに盗塁を決めてアベックアーチ&スチールで新しい攻撃の形を見せた。先発の左腕クレイトン・カーショー投手(36)は6回途中を1失点で今季初勝利。投打がかみ合い、4連勝を飾った。

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ホームに生還した1番大谷は、2番ベッツをたたえる合図を送った。4-2の7回2死、左腕ハドソンから四球を奪い、すかさず二盗でチャンスメーク。直後、ベッツのクリーンヒットで貴重な追加点を挙げた。「1番を打ってるので、今日みたいな終盤の四球も大きいですし、盗塁でスコアリングポジションに進むこともすごく大きい仕事だと思います」。出塁して盗塁を決め、ベッツがコンパクトな打撃で大谷をかえす。新しい、かつ理想的な攻撃の形が見事にはまった。

新しい並びの1番と2番で2本塁打5打点、2盗塁。長打とスピードがかみ合った。左手の骨折で離脱していたベッツが、約2カ月ぶりの復帰戦でいきなり先制の11号2ランを放つと、大谷も負けじと5回無死一塁から36号2ランでアベック弾をマーク。カウント3-0からの1発は初で「甘く来たらいくぞという姿勢を、いつもどのカウントも、そういう姿勢だけは崩さないように」と、積極打法で左中間へたたき込んだ。

夏場にかけて故障者が続出し、苦しいチーム状態でもあったが、ベッツの復帰で一気に風向きが変わった。「本当にいるだけで脅威になるというか、打線の厚みがやっぱり全然違う。相手も嫌だと思いますし、今日は本人も打って、選手としての素晴らしさを証明したと思います。本当にチームとして、いるかいないかでだいぶ違うのかなと。それぐらい大きな存在」と大谷。言葉通り、一段とド軍打線の威力が増した。

チームは左腕カーショーが左肩の手術から復帰後、4戦目で初勝利。投打の軸が活躍し、4連勝で首位をキープした。大谷は「主力が抜けて、帰って来て。より厚みが増した。逆に主力がいない時にしっかり、ある程度、踏ん張れたのもチームの地力なんじゃないかなと。他のメンバーも信頼していますし、どの選手が入っても、いい作用がお互いに生まれればいい」と前向きに語った。戦いの本番はこれから。頂点を目指すシーズン終盤へ向け、役者がそろってきた。

○…ベテラン左腕カーショーが復帰4戦目で今季初勝利を挙げた。速球の球速は90マイル(約145キロ)前後だが、スライダー、チェンジアップを低めに集め、リズム良く投球した。5回1/3を1失点でチームの4連勝に貢献。主力選手が徐々に復帰し、チーム力が上がってきている状況に「ムーキー(ベッツ)が戻ってきたのも、とても大きい。僕らが求めているようなラインアップになりつつある。先発陣や主力選手にしても、描いているようなチームになりつつある」と前向きに話した。

▼大谷の36号本塁打は、カウント3ボール0ストライクから出た。メジャー通算207号で初めて。日本時代の48本にも1本もなく、日米通算255号で初となった。大リーグでのカウント別では初球の44本が最も多く、次いで2-2の25本、1-1の23本と並行カウントに強い。

▼大谷の36号は、飛距離424フィート(約129メートル)で左翼席へ。スタットキャストによると、中堅左を含めた逆方向への飛距離では自身9番目となる。逆方向への最長アーチは23年6月12日アンダーソン(レンジャーズ)から打った中堅左への459フィート(約140メートル)。