「全国高校野球選手権・2回戦、東海大相模4-0富山商」(12日、甲子園球場) りりしい表情を一切変えず、仁王立ちだ。長身198センチの左腕に、聖地のマウンドは「合っていました」。今秋ドラフト候補の東海大相模(神奈川)・藤田琉生投手(3年)…

 「全国高校野球選手権・2回戦、東海大相模4-0富山商」(12日、甲子園球場)

 りりしい表情を一切変えず、仁王立ちだ。長身198センチの左腕に、聖地のマウンドは「合っていました」。今秋ドラフト候補の東海大相模(神奈川)・藤田琉生投手(3年)が7回無失点に抑え、奪三振ショーを見せた。

 「真っすぐを張っていると情報が入った。真っすぐも投げ切れたんですけど、かわすように、変化球を腕振って投げられたのが良かったです」

 スカウトのスピードガンで自己最速タイ149キロを計測した直球に加え、ナックルカーブやチェンジアップがさえた。四回には3者連続三振を奪うなど、全て空振りで毎回の13K。相手打線を散発3安打に封じ、三塁すら踏ませなかった。

 ネット裏の評価も上々だ。ヤクルト・小川GMは「直球のスピードも出ていたし、緩い変化球で緩急が使えていた。これからまだまだ良くなる魅力を感じた」と評価。楽天・部坂スカウトも「満点。今年一の投球だった。この甲子園で評価がビューンと上がるんじゃないか」と絶賛した。

 巨人で捕手としてプレーした原俊介監督(46)に甲子園初勝利もプレゼント。日頃は、女房役の木村海達捕手(3年)を通じて指揮官の考えを吸収しているといい「原先生も(監督として)甲子園が初めてだったので、まずは自分が1勝をもぎとろうと思っていました。1勝をあげられて、うれしい」と喜んだ。

 強豪・広陵との次戦へ向け「力まず淡々と投げたい」と左腕。類いまれなポテンシャルを、夢舞台でいかんなく発揮する。

 ◇藤田 琉生(ふじた・りゅうせい)2006年11月17日、17歳。神奈川県藤沢市出身。198センチ、92キロ。左投げ左打ち。小学1年から軟式の羽鳥ファイターズで野球を始め、羽鳥中では湘南ボーイズに所属し、3年夏に全国制覇。東海大相模では1年秋からベンチ入り。50メートル走5秒96、遠投100メートル。両親はともに身長180センチ以上の元バレーボール選手。