宮城代表の聖和学園は大会第7日の13日、第2試合(午前10時35分予定)で栃木代表の石橋と対戦する。聖和学園の八島知晴監督(46)と石橋の福田博之監督(58)が6日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で顔を合わせ、意気込みを語った。 ――相手チ…

 宮城代表の聖和学園は大会第7日の13日、第2試合(午前10時35分予定)で栃木代表の石橋と対戦する。聖和学園の八島知晴監督(46)と石橋の福田博之監督(58)が6日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で顔を合わせ、意気込みを語った。

 ――相手チームの印象は

 八島 非常に堅守で負けない野球、きちっとした野球をする印象。(栃木大会)決勝でも劣勢から最後に逆転し、粘り強さを感じる。100年の伝統校で、応援も含めすごい力があると思っている。

 福田 (宮城大会)決勝で仙台育英さんに19安打で打ち勝ってきている強打のチーム。投手も斎藤(佑樹)君と千葉(桜太)君というしっかりとしたタイプの違う二枚がいて本当に好守であり、強いチームだなという印象。

 ――夏初出場校同士の対戦という点については

 八島 相手校さんが初ということはあまり意識していない。もうここに来ればどの学校も強い。それよりもうちが初出場なので、想定していたことと、わからないことのすり合わせを行い、ちゃんとチーム力を発揮できるようにしたい。

 福田 初出場というのはフレッシュな気持ちでできると思う。入江(祥太)、山下(諒太)、原(佑太)は(昨年の)センバツを経験し、甲子園のことを(チームメイトに)話してくれるので、落ち着いてできるんじゃないかなと思っている。

 ――警戒する選手は

 八島 攻守ともに入江君がチームの核になっていると思う。ピッチャーとしてどういう状況でマウンドに上がるか、攻撃でもどう抑えるかがポイントかなと思う。

 福田 全員と言いたいところだが、やはり三浦(広大)君。三浦君を出すと、もう手に負えなくなってしまうのでいかに抑えるか。あとは投手の斎藤佑樹君。サイドハンドから腕を振ってきて見事なコントロールをしているので、どう打ち崩せるかというのはポイント。

 ――どんな試合展開にしたいか

 八島 先制できて優位に進めるのが理想だが、なかなかそうはいかないだろう。ロースコアをイメージしながら、どういう形でも接戦に持ち込みたい。その上で試合のポイントとなるところでうちが点を取り切れる、守り切れるかというところ。

 福田 うちはもう絶対に接戦でしか勝てないチームなので、理想としてはロースコアの接戦。(栃木大会)決勝のような場面もあるので、とにかく粘って、相手より終わったときに1点でも多く取れる試合に持ち込めたらなと思っている。

 ――自身のチームの鍵となる選手は

 八島 三浦と4番の佐藤(煌馬)が宮城大会と同じように活躍してくれれば。下位打線に当たりが戻ってくれば、さらにいいかなと思う。

 福田 やはり投手を含めた守備なので柳田(瑛太)、入江。あとは平間(翔大)というアンダーの面白い投手がいる。3人全員使うと思う。彼らが100%の力を発揮しないと、もう全然聖和さんとは相手にならないと思うので、投手陣の踏ん張りに期待したい。

 ――勝敗のポイントは

 八島 うちの守備が乱れてしまったらいけないと思うし、やはり勝負どころでどれだけやれるか。宮城大会で鍛えられていると思うので、競り負けないようにしたい。

 福田 ミスをしないこと。ピッチャーで言えば、無駄な四死球を出さない。守備の面ではエラーを二つ続けない。ミスを続けないことがポイント。

 ――意気込みを

 八島 チャレンジャー精神で、選手たちには思い切りプレーさせたい。普段持っている力を発揮させた上の勝敗だと思うので、そこに徹したい。

 福田 選手たちが100%の力を発揮してくれればそれでいい。甲子園球場で思い切り駆け回ってほしいと思っている。(岸めぐみ)

     ◇

 聖和学園は県内出身者がほとんどだが、県外出身者もいる。3年の斎藤佑樹、矢内ユウジ、山川大生は、3人とも栃木県出身だ。ともに聖和学園のOBがコーチを務めるクラブチームを経て、故郷を離れて野球をする決断をした。

 「相手が栃木県のチームということで、負けられない気持ちはある」。そう意気込みを語るのは斎藤選手だ。「気負いせずに、しっかりいつも通りのプレーをしてチームの勝利に貢献したい」

 3人はクラブチームのコーチから聖和学園に進む選択肢があることを教わったり、先輩から「自分で考えて野球ができる高校」と聞いたりしたことをきっかけに、聖和学園に入ったという。

 矢内選手は「宮城に来て最初は知らない人ばかりで不安だった」。だが、保護者のサポートなど温かさを感じ、次第になじんだという。初戦でも「宮城県民として、サポートしてくれた方の分まで頑張りたい」。

 山川選手はサポートメンバーとしてチームを支える。「地元の栃木と全国で戦えるのはうれしい」。中学校の時には、甲子園出場して全国に行くと周囲に言ってきたという。

 地元の友達からは「頑張れ」という連絡も。「いい応援をして、宮城県の人たちだけでなく、栃木県の人にも試合を盛り上げる姿を見せられたらいいな」(岸めぐみ)