<ソフトバンク5-2楽天>◇11日◇みずほペイペイドーム頼れる4番の1発で勝負を決めた。ソフトバンク山川穂高内野手(32)が0-0の4回無死一塁から先制の22号2ランを左翼席に運んだ。3戦連発は22年8月5日~7日のロッテ戦(ベルーナドーム…

<ソフトバンク5-2楽天>◇11日◇みずほペイペイドーム

頼れる4番の1発で勝負を決めた。ソフトバンク山川穂高内野手(32)が0-0の4回無死一塁から先制の22号2ランを左翼席に運んだ。3戦連発は22年8月5日~7日のロッテ戦(ベルーナドーム)以来、2年ぶり。打点も69に伸ばし、本塁打&打点の「2冠」でリーグトップを快走。後半戦に入って14戦8発と量産態勢に入った主砲が、チームのVロード快走をけん引する。

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カーブの軌道にしっかり体をためて、バットを振り切った。中弾道の打球は左翼席へ飛び込んだ。振り切った瞬間から、山川はアーチを確信していた。

0-0で迎えた4回。先頭栗原が右前打で出塁。初球はスライダーを空振り。2球目はストライクゾーンから外れたシュートを見逃した。カウント1-1。「(楽天)滝中投手のカーブは非常に抜けるというか、遅いカーブがあるので。それは頭から外さず、でした。そういう意味ではうまく対応できたかなと思います」。笑顔でベースを回り、一塁ベンチ前でお決まりのどすこいポーズも決めた。

3試合連続本塁打。山川自身、22年8月のロッテ戦以来2年ぶり。後半戦に入り、これで14戦8発の量産態勢だ。「3試合連続というのはいいことなんですけど、だいたい4試合目というのは打たせてくれないんですよ。明日も打てることに越したことはないですが、謙虚にまた足元を見つめ直してしっかりやるだけかなと思います」。18年に自身最長4試合連発があるが、山川は苦笑いだった。

準備は怠らず。試合前の打撃練習。小さなバランスボールに右足を乗せて、しっかり軸足となる右足のバランスを整えていた。「打撃は右足が大事と思っています。悪くなるとどうしても(投手側に)突っ込んでしまうので」。6回には初球のストレートを捉え、左翼フェンス直撃の二塁打で中押し点につなげた。変化球にも速球にも柔軟に対応してみせた。22発&69打点でリーグ「2冠」。大好きな夏場で、さらにギアを上げていく。

10日のカード初戦の大敗から、4番の一撃で星を戻した。小久保監督も「(滝中は)なかなか打てそうで打てない投手なんですけど、カーブの失投1球でしたけど、さすがですね」と、山川の殊勲弾を称賛した。頼れる大砲が、Vロード前進を支えていく。【佐竹英治】

▽ソフトバンク王球団会長(山川の先制22号2ランに)「あれは大きかったね。彼が点を取ってくれるとね。(胸に手を当てて)ここが楽になったんじゃない。バッターってのはどちらかって言うとこっち(気持ち)の方が大きいからね」